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キャリアを考えるのは、とても難しいです。だから誰もがキャリアに迷います。迷わずに自分のキャリアを突き進んでいるように見える人であっても、過去に迷った結果として「そうある自分」を決めているだけの話です。
僕の知る限り、成果を出す人というのは「キャリアに迷う時間」と「仕事をする時間」の切り分けができています。なぜなら、迷いながら仕事をしたって、成果なんか出ないからです。 最悪なのは、迷いながら集中力を欠いた仕事をして、それでは成果が出ないから、さらに迷いを深めていくという負のスパイラルにあることです。 成果が出ない仕事は、誰にとってもつまらない。そうした「つまらなさ」の原因を、自らの集中力の無さに求めるのではなく、仕事そのものに求めようとすれば、いつまでたってもキャリアは上向かないでしょう。 しっかり生きようとするかぎり、人はキャリアに迷うものです。しかし、ただフラフラと迷っても、どこへもたどり着きません。僕たちは、もう少し「キャリアの迷いかた」について考えてみるべきではないでしょうか。 そんなことを思いながら、僕はこの本を執筆しました。個人的には、はじめて物語調の本にチャレンジしています。ある就活中の若者が経験を重ね、マネージャーになるまでの「迷い」に焦点を当てたストーリーです。発売は、お盆あけの8月23日(木)です! ![]() を、よろしくお願いします。 m(_ _ )m NED-WLT管理人 酒井 穣 追伸:本書もChabo!本です。本書の著者印税の20%が、特定非営利活動法人JENを通じて、世界中の難民・被災民の教育支援、自立支援に使われます。Chabo!発足以来、2012年6月末時点までの寄付金総額は102,712,337円と、なんと1億円の大台を超えました!関係各位のご協力に感謝いたします。 ●無料メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai #
by ned-wlt
| 2012-08-14 20:14
| 著書に関すること
僕たちは、社会的に大切なものが失われようとするとき、それを「文化」と呼び、保護しようとします。それが社会にしっかり根付いていて、人々の日常であるかぎりは、そこに「文化」という言葉は使わないところに気がつくと、「文化」とは、それが失われる危機を前にしてはじめて、人々の記憶に「立ち上がってくる」ものなのだということがわかります。
少なからぬ日本人にとって、SONYは特別な存在だと思います。SONYはもはやただの一企業ではなく、日本を象徴する存在と言っても言い過ぎではないでしょう。個人的にも、これまでに多くのSONY製品を購入してきたし、お金が足りず買えないときも、常にSONY製品のカッコよさにあこがれてきました。 多くの日本人が「SONYに就職したい」と思ったことがあるでしょう。しかし、あこがれのSONYに就職することはとても難しく、友達の中でも、本当に優秀な人だけが選ばれてSONYの門をくぐることができるというイメージでした。実際に、僕の親友の一人は、中学1年生のころから「SONYに就職する」と周囲に宣言しつづけ、みっちり勉強し、現役で東大に入り、優れた成績で大学院に進み、SONYに入社し、今も日々SONYの夢を実現すべく邁進しています。 そんなSONYの調子がおかしくなって久しいわけですが、その原因がどこにあるのかを考えることは、どこか、日本の将来を考えることと同じ意味を持っているように感じます。SONYの理念(設立趣意書)にある「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場」という言葉は、SONYのことを考えるとき、そして日本のことを考えるとき、必ず参照される「原点」としての風格と正当性を持ち合わせているように思うのです。 この夏、そんなSONY創業者である井深大氏と盛田昭夫氏の、SONYを「特別な存在」に変貌させていく決断と葛藤を描いた演劇『Heavenly Bento』が、青山円形劇場にて公演されます(2012年7月4日~8日)。この演劇を生み出したのは、ドイツ・ベルリンを拠点に活躍するアーティスト集団「post theater」です。 SONYが前衛的なアーティストたちによって演劇になるということは、SONYが「文化」として扱うのに十分な深みを持っているという側面のみならず、そのコアとなる価値が失われつつあることへの警鐘であるという点にも、やはり注目しなければなりません。 僕は、一企業を超えるSONYの価値が何であるか今一度確認するため、そして、その価値を少しでも継承するため、この演劇を観に行きます。SONYに対して、特別な思いを持っている人であれば、SONYが演劇でどのように表現されるのか、是非とも観ておきたいところではないでしょうか。 (これから、本を読みながら寝ます) 石垣と苔 ![]() ●無料メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai #
by ned-wlt
| 2012-06-19 22:21
| 時事評論のまね
色々な人が色々な形で述べてきたことですが、人間の成長はステップで考えることができて、それぞれ異なる意味を持ちます。もちろん、このステップが絶対というつもりもないし、例外も多数あるでしょう。まあとにかく、自分の考えを整理するために、ここにまとめておこうと思います。
とても大事なことは、以下に紹介するそれぞれのステップは「すばやく駆け上がればいい」というものではなさそうだというところです。それぞれのステップにおいて「これでいいのだろうか?」と悶々と悩むことを通して、次のステップで活躍するための武器を鍛えるという側面があるように思うからです。 1.やりたことが見えない段階 一説に、世界には3万種類の職業があると言われます。であれば人間が、自分の適職探しに悩むのは当然のことです。色々と悩んだ結果として選んだ職業も、それが本当に自分のやりたいことなのかと尋ねられれば、なかなか自信をもってYESと答えられないこの段階は、多くの人に共通して訪れると思います。 この段階では、地味な業務の積み重ねを通して、社会人としての土台を築きます。そうした活動を通して、世の中にはどのような仕事があるのかを「観察」することになるでしょう。そして多くの「隣の芝生」に目移りして、落ち着きを失ったりもします。ここではとにかく若くして活躍するライバルの話を見聞きしたぐらいで「焦らない」ことが重要だと思います。先は長いのですから。 2.できることをしながら、やりたいことを探す段階 与えられた仕事をこなしながら、周囲の信頼を積み上げていく段階です。周囲の信頼があると、与えられる仕事が多様になってきて「経験」として多くの仕事に触れることになります。多くの仕事に触れれば、徐々にではあっても、自分はどういう仕事が好きで、どういう仕事が嫌いなのかが見えてくるでしょう。この段階では、仕事の中で遭遇する「ちょっとした面白さ」を見逃さないことが大切だと思います。 へんに焦って、与えられた仕事も満足にこなせないうちから、他の仕事をやりたがったりしても、こうした環境は得られません。どのステップでも同じことですが、現在手掛けている仕事の品質にこだわれない人は、周囲から信頼されませんよね。なにをやるにせよ、周囲の人に助けてもらうことが必要だとすれば、これは致命的なことになります。 3.できることを、やりたいことに近づける段階 人間は、どうしたって「やったことのあること」しか上手にできません。だから、与えられる仕事というのは、必ず「今の自分にできること」です。そこからしか、自分の可能性は広がらないということを理解する必要があります。 とはいえ「今の自分にできること」は、資格を取得したり、スクールに通ったりして、少しずつではあっても自分で増やすことができます。そうすれば「今の自分にできること」にレバレッジをかけて「やったことがないこと」にチャレンジさせてもらえる機会も増えるはずです。 4.やりたいことをやる段階 前のステップがうまく回転しはじめると「自分にできること」と「やりたいこと」の重なりが増えてきます。雑務から解放されることはないものの(それは生涯を通してありえない)、朝、会社に向かうのが楽しみでしょうがない段階になります。 実感ですが、この段階に到達できる人は、意外と少ないように思います。個人的には、ステップ3と4の狭間でもがいている人の手伝いができたらと考えることが多いです。ここを分けるカギは「自らの成長を実感できること」だと思います。プロの棋士は、将棋の決着がついてから「差し手の振り返り」を行いますよね。ああしたことが、自らのキャリアを考える個人にも必要だと信じています。 5.やりたいことをやりながら、すべきことを探す段階 「やりたいことをやる」というのは、別に楽だったりするわけではなく、むしろかなりつらいことが多いような気がします。それでも全体としては充実感があって、明日も頑張れる状態がずっと続くような「希望」みたいなものと常に一緒にいられる段階です。 この段階に至っている人に共通するように思われるのが「自分さえよければ、それでいいのか?」といった疑問を持っているということです。それは「他者を気にかける余裕がある」というのとは違います。自分の命がいずれ終わることを強く認識し、なにかを残したいといった感覚に近いのではないでしょうか。 6.やりたいことを、すべきことに近づける段階 ボランティアなど、利他的な社会貢献活動に参加して、成果が出せる段階です。社会貢献活動は、まだ社会人経験が少ない若手でも実行することが可能ですが、その場合は「労働力」を無料で提供しながら、その対価としてお金ではなくて経験をもらうという関わりかたでしょう。 それに対して、それなりにキャリアが進んでいるこの段階での社会貢献活動への関わり方は「労働力」ではなくて「スキル」の提供になっていることが多く、短い時間の関わりでも、レバレッジが効くことがあるように思います。そうした経験を通して、自分の持っているスキルが、どのような社会的問題に対してポジティブな影響およぼすことができるのかを認識していきます。 7.すべきことをする段階 やりたいことをしながら、それがそのまま優れた社会貢献になっていて、かつ、その活動から、自分や家族が生きていくための対価が得られるような段階です。おそらくは、この段階に至ることがキャリアの(1つの)ゴールではないかと思います。 最後に、繰り返しになりますが、これらのステップは「すばやく駆け上がればいい」というものではありません。晩年まで、下位にあるステップで実力をためこみ、あるきっかをもって一気にステップを駆け上がっても、それは個人の人生として、誰に恥じるところもないものだと思います。大切なことは、こうしたキャリアのステップを意識しつつ、今の仕事に集中して、どのステップにおいても、周囲の信頼を裏切らないことでしょう。 できること、やりたいこと、すべきこと。この3つの重なりを求めて悩み苦しむことから逃げることだけは、してはいけないことのように思います。 (今日も、色々と仕事をします) ![]() ●無料メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai #
by ned-wlt
| 2012-06-09 13:21
| ちょっぴり経営学
僕は、ここ10年ぐらいずっと人間の学習に興味があるのですが、子育てをしていて気がついたのは、人間は「誰かに、複雑なことを、わかりやすく説明する必要性」が与えられたとき、もっとも高い学習効果を発揮する(のではないか)ということです。
自分自身のことを振り返ってみても、僕はこのブログを続けることから多くのことを学んでいます。最近ではメルマガがこれに加わりました。思い出してみれば、仕事でも、難しい課題に取り組むときの企画書を作成しているときもそうです。そしてなにより、本の執筆をしているときは、本当に多くのことを学びます。 ブログやメルマガは、誰でも自分の意思ではじめられます。しかし、特に子供の場合は、ブログやメルマガをはじめるというわけにもいかないでしょう。そうなると、子供の成長にとって重要なのは「誰かに、複雑なことを、わかりやすく説明する必要性」が「誰かに与えられる」というチャンスが必要というところです。 そのように考えると、大人にとっては、一生懸命ブログを書く時代が終わり、RTするばかりのTwitterや、ちょっとした近況報告と「いいね!」ボタンを押すだけのSNSに関心が移行してしまうことは、学習という側面からは改悪なのかもしれないという視点も得られます。 たしかに大人であれば、こうしたチャンスは「自ら取りにいく」ことが可能です。企画書を書くのに、上司からの指示を待つ必要などありませんから。でも・・・でもなんです。 そもそも「誰かに、複雑なことを、わかりやすく説明する必要性」に乏しい子供時代を過ごしてしまった人は、「誰かに、複雑なことを、わかってもらう」ことの喜びを知らないし、物事を「なぜ?」と深く突き詰めて考えるスキルも全く開発されていないわけです。 世界はそもそも複雑にできています。これを「わかりやすく説明する」ということは(1)物事の背景を抽象化して考えるスキルであり、(2)適切な比喩を見つけることであり、そしてなにより(3)話を聞く相手の立場を理解するということです。 ・・・これって、コンピューターが人間の仕事を奪う時代にあって、人間がコンピューターに勝てる数少ないポイントだったりしますよね。だから僕は今、「誰かに、複雑なことを、わかりやすく説明する必要性」を効率的に作り出す方法を考えたいと思っています。 (朝のひととき、紅茶をのみながら) プロダクト ![]() 「この変化は、優しくない。」 2011-09-25 「ダブル・ループ学習と破壊的イノベーション」 2010-12-09 「生き抜く力と、モビリティー(可動性)」 2011-10-31 ●メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai #
by ned-wlt
| 2012-06-07 08:25
| 時事評論のまね
僕は、宮崎アニメの中でも『紅の豚
とはいえ、ポルコ・ロッソのように、世間の枠組みから距離を置いて、自らの命を飛ぶような「強さ」を身につけることは容易ではありません。しかし現代社会は、全ての人間に、ポルコ・ロッソのように「飛ぶ」ことを強要していることに、僕たちはもっと自覚的になるべきだと思います。 ●Facebookという現象 Facebook、IPO(株式上場)後にいろいろあって株価が安定しませんが、それでも時価総額は4~5兆円前後という、堂々たる世界企業です。日本でこの規模の世界企業として思い浮かぶのは、時価総額が10兆円前後のトヨタでしょうか。 あらためて、トヨタのすごさが解ります。日本の誇りです。同時に、すこし憂鬱に思えることがあります。それは、トヨタの従業員数が32万人(連結)なのに対して、Facebookの従業員数は3,200人というところです。偶然ですが、枕の「32」という数字が一致しています。 ●従業員数の差が持つ意味 連結やアウトソーシングの割合などを考慮に入れないで、単純に従業員数を比較することはできないものの、それでも、従業員数で100倍もの差があるということがいったい何を意味するのか。これは、何か考えるべきところでしょう。 言うまでもなく、膨大な設備投資が必要なメーカーと、一般に少ない設備投資で経営できるIT企業を横一線で比較することには慎重になるべきです。ただ、同規模の時価総額を持つ世界企業の間に、100倍という従業員数の「格差」があるという事実に、僕は興味を持ちます。 結論から先に言うと、興味の対象は、Facebookのような新時代の企業は、これまで僕たちが常識的に「夢」見てきた企業に比べて、雇用の吸収力が圧倒的に弱いというところです。今後も多くの新興企業が世界各地で生まれるとして、結果としていくつもの新産業が発達しても、その時価総額の割には、僕たちの雇用は増えないと覚悟をする必要があると思います。 ●なぜ、雇用が増えないのか 18〜19世紀に起こったとされる産業革命では、蒸気機関に代表される技術革新によって、ブルーカラーの仕事がなくなりました。そして今、僕たちが目にしているIT革命は、おそらく、ホワイトカラーの仕事を減らしてしまうのです。それによってブルーカラーの仕事が増えるわけでもなく、多くの仕事がコンピューターに巻き取られていくというのが現実です。 そうした中で、人間ができる仕事というのは「コンピューターが苦手とする仕事」に限られると指摘したのが『コンピュータが仕事を奪う ●人間は、引き裂かれない 僕たち人間は、多くの矛盾を抱えていて、時にそうした状況を「引き裂かれる」と表現します。たとえばそれは、父としての自分、夫としての自分、男としての自分といった立場のそれぞれが独自に価値判断を行い、それぞれが反発しあうということでしょう。それを「引き裂かれる」と言うことが多いと思います。 でも、現実にはなにも引き裂かれていません(苦しみはしますが)。誰もがこうした矛盾を抱えながら、一人の人間として統合されています。この統合こそが、コンピュータと人間の違いであり、矛盾に悩むことが、人間らしいことではないでしょうか。そこからコンピュータには到達できない「創作」が生まれるのだと思います。 ところで、人間の持つ、こうした「強みとしてのジレンマ」を見事に表現したのが、エヴァンゲリオンに登場する、マギ・システムでした。マギ・システムは、合議制を前提とした3台のコンピュータで構成されている、異なる人格移植OSを搭載したコンピュータの集合です。仮に、人間がいかなる物事においてもコンピュータに勝てない時代が来るとしたら、それは、このマギ・システムが実現したときだと思います。 ●何が言いたいの? かつてポルコ・ロッソは「飛べない豚は、ただの豚だ」と発言したようです。これは「飛べない人間は、ただの人間だ」といってしまうと野暮だからであって、中身が豚でも人間でも同じことです。 では「飛ぶ」というのは、どういうことなのか。それは、様々な矛盾を飲み込んでなお、前向きでいられる完成されたマギ・システムとしての人間ではないかと、そんな風に感じます。コンピューターが仕事を奪いつつある現代、そしてそれが明らかなこととして顕在化する近未来、僕たち人間は、誰もが飛ばなければならないのだと、確信した夜でした。 (なんのこっちゃ・・・) ![]() ●無料メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai #
by ned-wlt
| 2012-06-05 01:27
| 時事評論のまね
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