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数多く存在する経営ツールの中で、ここ最近、利用率でも満足度でも、急速に地位を高めているのが、CRM(Customer Relationship Management)です。昨年末のHarvard Business ReviewでもCRMの躍進ぶりが他の経営ツールとの比較という文脈で好意的に取り上げられています(注1)。
CRMの成功例としておそらく最も有名なのがAmazon.comのケースでしょう。Amazon.comはユーザーの購買履歴や過去にチェックした商品のデータに基づいて、ユーザーごとに異なる「お勧め」の商品情報を提供してくれます。さらにユーザーが好みそうな新刊情報も、定期的にメールで知らせてくれたりもします。この舞台裏には、大規模なCRMのITシステムが構築されているのです。 とはいえ、Amazon.comのビジネス・モデルには「凄い」と関心しても、実際にオンライン・ショップとは縁の無い仕事をしている人にとっては、CRMという言葉自体が馴染みのないものではないかと思います。仮にCRMという言葉を知ってはいても、それはオンライン・ショップなどに限定される複雑で高価なIT技術として理解している人が多かったのではないでしょうか。 しかし近年のビジネスの現場では、CRMはいよいよ「オンライン・ショップ向けのIT技術」という狭い枠を離れて、本来のCRMが目指すところの「究極の営業コンセプト」として成熟しつつあるように見えます。金融や小売はもちろん、外食産業や不動産、製薬業界やハイテク産業、メーカー、「オフ」ライン書店、各種サービス産業、果ては官公庁にもCRMは浸透しつつあります。言ってみれば、これまではマニア向けの無線技術のようなものだったのが、誰でも気軽に使える携帯電話に進化しつつあるという感じです(注2)。 CRMは、形の上では複雑なITシステムなわけですが、その本質は「企業の営業力を高める」という人間的なもので、決してオンライン・ショップに限定されるものではありません。もう少し具体的には、以下に挙げる3つの「営業の常識」に対応するための企業の能力が、CRMによって劇的に改善される(可能性がある)のです。その結果、これまでの潜在顧客は新規顧客へ、これまでの普通の顧客は常連客(ファン)へとステップ・アップされる(可能性が高まる)のです(注3)。 営業の常識1.新規顧客の獲得は、既存顧客の維持よりも何倍も難しい 新規顧客から注文を得るためには、既存の固定客から注文を得る場合の5倍~10倍のコストがかかると言われます。ですから、まずは既存顧客を大切にすることが営業のコアになります。そして、CRMによって十分に満足させられた既存顧客こそが、新規顧客を獲得するための「最高の営業マン」になるというのは、ブログなどの個人発信メディアが発達している現在、ますます認識されるべきポイントになってきています。 営業の常識2.既存顧客も、企業からのコンタクトが無いと離れて行く 一度は顧客になってくれた人も、放っておかれると自動的に気持ちが離れて行き、いつのまにか顧客ではなくなってしまうものです。顧客から何の音沙汰もなくとも、企業の側から積極的にコンタクトをかけて行かないとならないのです。とはいえ、スパムのように顧客を煩わせてしまってはなりません。このコンタクトのさじ加減は、顧客によって様々です。CRMは、それぞれの顧客の好みに合ったフォローアップの設計を助けます。 営業の常識3.顧客満足度は、トラブルへの対応で決まる トラブルの発生しない製品など、まず存在しません。トラブルが発生したら、それを「顧客との関係構築のチャンス」と考えるのも営業の常識です。そうした意味では、カスタマー・サポートの重要性が、今ほど高まっている時代もないでしょう。特にコールセンターは、顧客からすれば、その企業の態度を代表しているわけで、企業としては対応の上手いエース級の人材を配置すべき場所になってきています。重役がコールセンター内に意図的にデスクを持っている企業も少なからずあると聞きます。CRMは、限られたエース級の人材を有効に活用するためにコールセンターに必要となる人員数を最小限とし、さらにトラブル発生時の対応の質を改善できます。 まとめ CRMは、いわゆるネット系企業以外の多くの分野でも導入が進み、使い勝手も相当に向上しているようです。実際に経営者からのCRMへの信頼も高まっています。ただし、ITシステムとしてのCRMは、いかにそれが成熟したとしても、あくまで道具にすぎず、そこには各企業なりの「現場のノウハウ」をパラメーターとして詰め込まないと、ほとんど意味を成さないという点には注意が必要です。いかに道具が良くても、その使い方が命であるのは当然でしょう。 自社の製品にとって「最高の営業マン」となるのは、いつの時代も「満足した顧客」だったのですが、近年はブログなどの個人が発信するメディアの登場によって、顧客の満足度が製品の売り上げに与える影響がさらに高まっていると考えられます。そのため、既存顧客を満足させるノウハウをいかに集め、それを正しく、かつ迅速にCRMのパラメータ化するかが勝負の最重要ポイントになりそうです。 こうしたパラメータの設定は、基本的に血の通った人間がintelligenceを発揮するべきところなのであって、今後は行動心理学や社会統計学に通じだ「CRMアナリスト」的な職種が熱くなってきそうだと感じます。 (おしまい) (注1)論文は「Darrell Rigby and Barbara Bilodeau, “Selecting Management Tools Wisely”, HBR December 2007 issue, p20」です。ちなみに、経営ツールとしての企業ブログは、利用率でも満足度でも低い評価が与えられていました。また、具体的にどのようなシステムを指しているのかはちょっと疑問ですが、Knowledge Managementは利用率は上がっているものの、満足度が停滞したままという興味深い結果になっていました。CRMに社内SNSを連結させて、全社員の力で顧客を観察するような「CRMとKnowledge Managementの融合」なんていうのも、面白い分野になってくるかもしれませんね。 (注2)要するにキャズムを超えたわけです。今後は、ITに詳しくない人も、それがITの世界ではCRMと呼ばれていることすら知らないままに、CRM的なツールを普通に利用するようになるでしょう。もちろん「ポイントカード」のように、その導入費や維持費の割には、なかなか結果が出ないような難しい例も増えて行くでしょう。 (注3)企業から見た顧客には、ロイヤリティー(企業やブランドへの忠誠心)の形成にいくつかの段階があることが知られています。ここでは、潜在顧客、新規顧客、普通の顧客、常連客という4段階で示しましたが、実際のCRMでは、もっと細かな分類がなされます。 (蛇足)CRMとは直訳すれば「顧客関係管理」となり、本来は顧客との関係を維持し改善するということを指す、ITに限定されないものです。以前は、これを特にITに限定したい場合は、eCRMと呼ばれていたのですが、いつのまにか先頭の「e」は省略されるようになりました。E-mailがただメールと呼ばれるのと同じような感覚だと思われます。こうしたIT機能における「e」の省略は、その機能の成熟を示すバロメータにもなりそうです。 ![]() 「アウトソーシングを考える」 2007-05-25 「セールスとマーケティング」 2005-07-16 「重要度を増すinformationとintelligenceの違いに関して」 2007-10-15 ![]()
by NED-WLT
| 2008-01-28 04:22
| ちょっぴり経営学
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