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ソロモンの指環と言えば、旧約聖書に出てくるソロモン王が、動物と自由に話をするために使ったという魔法のアイテムです。しかし、そんな魔法の指環がなくとも、動物と自由に「会話」をすることが出来る人物が20世紀のヨーロッパに現れたのです。本書の著者である、動物行動学者コンラート・ローレンツ(ノーベル賞受賞者)です。
本書『ソロモンの指環―動物行動学入門』は、名著として名前だけは知っていたのですが、まだ読んだことがありませんでした。いやー、生きているうちに出会えて良かった(笑)。これは、最高のエンターテイメントです。小学生でも読めるような平易さと、自然科学系の本としての格調を同時に満たすことに成功している翻訳もすばらしい。この本をもし中学、高校生のころに読んでいたら、影響を受けやすい僕は、まず間違いなく動物学者を目指していたことでしょう。 いわゆるあまりに人間的なものは、ほとんどつねに、前人間的なものであり、したがってわれわれにも高等動物にも共通に存在するものだ、ということを理解してもらいたい。心配は無用、私は人間の性質をそのまま動物に投影しているわけではない。むしろ私はその逆に、どれほど多くの動物的遺産が人間の中に残っているかをしめしているにすぎないのだ。動物の中にこそ、人間を理解するためのヒントが隠されているのだということを教えられ、非常にスッキリしました。 (おしまい) 「吸収力に関する理論-1」 2006-02-16
by NED-WLT
| 2008-01-26 10:17
| 書評&映画評
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