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社会における物事のいくつかは「大切な3つのポイント」にまとめるとスッキリするというのは経験則からもよく知られていることだと思います。ところが、こうした3つの大切なポイントを同時に満たすということは大変難しく、「こちら立てると、あちらが立たない」というトレード・オフな状態、すなわちジレンマならぬトリレンマな状態が発生するケースが結構多いというのは、ちょっと面白い視点だと思うのです。今回は、このトリレンマというフレームについて、サイズや視点の異なる5つの例を挙げて考えてみます。
1.国家戦略のトリレンマ 最近の国際情勢における未来予測で、個人的に白眉だと考えているのはシェル石油による分析、『Shell Global Scenarios to 2025』です。この予測によると、国際社会は「経済効率」「セキュリティ」「社会のまとまり」の3点においてトリレンマな状態にあるようです。 「経済効率+セキュリティ」を選択するということは、人を信頼しないグローバル化を推進するということです。経済成長はそれなりに期待できますが、何事も杓子定規なルール優先社会で、訴訟が絶えない冷たい監視社会という側面もあります。アメとムチの社会、言ってしまえばアメリカ型の社会です。そこでは社会のまとまりのようなものは期待できず、隣人に怯える格差社会の姿が見えます。 「セキュリティ+社会のまとまり」を選択するということは、グローバル化を必要悪的なものとして否定しつつ、排外的な経済ブロックを形成するということです。経済成長よりも民族や信条を優先させ、排他的な同胞意識によって高いセキュリティを維持しようとます。ロシアやフランス、日本がこれに相当するかもしれません。全体として貧しい高福祉社会と言い換えることができます。 「社会のまとまり+経済効率」を選択するということは、人と金の流れを自由化させつつ市場を内外に広く開放する、信頼をベースにした実利主義的な社会を目指すことです。経済成長は最大化されますが、テロ対策などの安全保障面には非常に脆弱なビジネスとソフトパワーの世界です。EU諸国一般が目指しているのはここです。テロや局地的な戦争に巻き込まれると簡単に混乱するという弱点があります。 2.製品戦略のトリレンマ あくまで1つの見方ですが、企業の製品戦略は「先端技術」「品質」「コスト」の3点においてトリレンマな状態にあるという意見があります。 「先端技術+品質」を選択するということは、時代の先を行く高品質な製品を提供するということです。技術開発のスピードと、製品の品質を同時に達成するためには、贅沢な予算がどうしても必要で、ある程度はコストを犠牲にしないわけにはいかないでしょう。先端を走るためには特許などの知的財産権に関わるコストも膨大なものになるでしょう。 「品質+コスト」を選択するということは、新薬の特許期間終了後に製造・販売される安価な後発医薬品(ジェネリック薬)に代表されるように、成熟した技術に頼ることが必要になります。そのため、どうしても先端技術というわけには行きません。とはいえ社会からは必ずしも最先端なものばかりが求められているのではないという点は、意識しておく必要があるでしょう。 「コスト+先端技術」を選択するということは、少しぐらい信頼性が無くとも、とにかく最先端なものを安く提供しようとすることです。少数精鋭で上を目指すベンチャー企業に求められる典型的な戦略だと思われます。とにかく最先端であることで自らの技術力を世界にアピールし、場合によっては製品化までは自社では行わず、特許のライセンス収入などで会社を運営してゆくような経営スタイルになることもあります。 3.人生設計のトリレンマ 仕事と家庭の両立、ライフワーク・バランスといった言い方をしますが、これではジレンマですね。個人の人生において大切な3点という視点から書き出せば、バランスが求められているのは「仕事」「家庭」「趣味(自分だけの時間)」の3つでしょうか。家族皆の趣味が全く同じという場合を除いて、この3つを同時に達成することは非常に難しいでしょう。 「仕事+家庭」を選択するということは、平日は仕事で忙しくしつつ、休日には自分のやりたいことを我慢してでも家族を遊びに連れ出したり、子供の勉強を見てやったりすることです。どうしても趣味に使える自分だけの時間は短くなるのが当たり前でしょう。 「家庭+趣味」を選択するということは、日々の仕事は定時で切り上げたり、パートやアルバイトとして働くことを自ら選択してでも、家族との時間や自分だけの世界に没頭できる時間を大切にするということです。仕事はあくまでお金を得るための手段であって、それ以上ではないという価値観です。お金を十分稼いでしまって、既に引退生活に入っているような人もこのカテゴリに属すかもしれません。 「趣味+仕事」を選択するということは、基本的に家族を持っていない状態にあるか、家族がいてもあまり関わりを持たないということです。新入社員として企業に入り込んでから結婚するまでの期間の若手社員などは、仕事と趣味の両立が容易でしょう。 4.理論におけるトリレンマ エントリ「実務家が理論をバカにするとき」でも触れましたが、ある理論が優れているか否かは、その理論の「普遍性」「精確さ」「簡素さ」の3つの評価項目によって決めることができるようです。普遍性とは、その理論がどれぐらい広い範囲に適用可能なのかということ、精確さとは、その理論が現実をどれほど的確に予測することができるのかということ、簡素さとは、その理論がどれぐらいシンプルで理解・応用し易いものなのかということです。 「普遍性+精確さ」を持った理論というのは、難解な数式で表現された理論物理の法則のようなもので、実験や計算にはスーパーコンピュータが用いられるような理論です。そんなものが簡素であることは稀でしょう。 「精確さ+簡素さ」を持った理論というのは、17年ゼミが発生する年を予測するための計算式(以前に発生した年+17)のように、ある特定の限られた分野や現象に関してのみ適用できる理論であることが多いと思われます。 「簡素さ+普遍性」を持った理論というのは、例えば経営学の世界に求められている理論の型であると思われます。簡素でないフレームワークは実務に適用することは難しく、また普遍性がなければ世間一般の社会人がそれを学ぶ意味が薄れてしまいます。もちろん例外もありますが。 5.安倍首相が苦戦したトリレンマ 突然の退陣表明となってしまった安倍首相がチャレンジしていたのは「安全保障問題(憲法、拉致)」「福祉問題(医療、年金、格差)」「教育問題(ゆとり撤廃、愛国心)」の3本だったように思われます。選択したのは「安全保障問題+教育問題」で、特に憲法はこの両方に関わる重大な案件でした。この影でトリレンマの犠牲にされたのが福祉問題であったというのが僕の見方です。 安倍首相の政権は「安全保障問題+教育問題」の面での成果はそれなりにあったのではないかと思うのですが、国民が最も関心を持っていた福祉問題(国の財政問題でもある)を犠牲にするという戦略が果たして正しいものであったかどうかには大きな疑問が残ります。実際に安倍政権に対する効果的な攻撃は、そんな福祉問題に焦点を絞ったものでした。次の首相は、おそらく「福祉問題+教育問題」の格差是正路線で来るでしょう。とにかく、どこが政権をとるにせよ、政策をきちんと前進させるためには短命内閣というのはいい加減終わりにしないとなりません(注)。 (おしまい) (注)大手メディアはもちろん、いろいろなところで辞任を決意した安倍首相に対して、まるで水に落ちた犬を叩くような罵倒が為されていますね。それなりの理想を持って何かにチャレンジして敗れ、既に弱者の立場となったものを、安全地帯からこれでもかと叩くという国民気質はそろそろ恥じるべきだと思うのですが・・・。まずは「お疲れさまでした」と言いたいです。 関連記事 「定年延長(今は)反対。」 2007-01-05 「社会保険庁というテロ」 2007-06-26 「収益の質 (Quality of earnings)」 2006-02-04
by NED-WLT
| 2007-09-14 00:57
| 時事評論のまね
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