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ある程度のビジネス法務に関連する知識を持っていることは、ビジネスマンとして成功するための必要条件でしょう。もちろん詳細な法律の運用や判例に関する知識は、弁護士や弁理士などの専門家に頼るべきですが、それでもビジネスマンとしてこれぐらいは知っておきたいという法務関連の知識も少なからずあるでしょう。「会社法に関しては、米国デラウェア州が最も進歩的で柔軟である(と言われている)」というのも、そんなものの1つだと思います。全米で最も進んでいる会社法ともなれば、まあ世界でも最先端であると言ってしまっても良いのではないでしょうか。
NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場している企業の実に45%、Fortune 500にノミネートされる大企業のおよそ6割までもが、全米50州のうち45番目の人口(84万人)しかなく、面積でも全米で下から2番目のデラウェア州で設立されているという事実はいったい何を意味するのでしょうか。デラウェア州は法人税が全米で最も安いレベルにあるということはもちろん無視できないポイントなのですが、それ以上に重要なのは、デラウェア州の法律、判例、裁判制度が他州に比べて格段に充実かつ洗練されているという事実です。 過去1世紀以上に渡って、全米の企業という企業がデラウェア州を選んできたのですから、結果としてデラウェア州ではそうした企業が関係する裁判が多く発生するのは自然です。デラウェア州の会社法(成文法)が優れているというのももちろんあるのでしょうが、それ以上にデラウェアでは多くの実際の裁判から生まれた判例法が充実しているという点は強調してもしきれないほどです。豊富な判例が存在するということは、そこでの裁判の結果は予測し易い(リスクが小さい)ということを意味します。ちなみに、こうした理由からデラウェア州には日本からも多数の会社が進出しています。 当然、今色々な面で世間を騒がせている会社買収に関しても、デラウェアの判例法(成文法ではない)が持つ法務関連の実務への影響力は絶大なようです。日本の弁護士の先生方ももちろんデラウェア州に注目しているわけですが、最近では弁護士の鈴木健太郎先生が商事法務(No.1807)に『MBOに関するデラウェア裁判所の審査基準の概要』という論文を発表され、それが人気ブログ、ウォールストリート日記の記事で取りあげられたりもしています。 普通のビジネスマンは、こうした専門家の論文の内容までをも熟知する必要は無いでしょうが、それでも「あ、またデラウェア州だ・・・」ぐらいには感じられないとならないと思います。仮に自分が買収案件に関わるようなことがあれば、とりあえずはデラウェアで似たようなケース(判例)があるのかどうかぐらいは弁護士の先生や投資銀行の専門家などに教えていただくべきでしょう。 ま、良く知りもしないで偉そうに語っている僕も、つい10数年前までは、デラウェアといえば代官山の古着屋のことだとばかり思っていたのですけどね・・・(苦笑)。最近は古着も下火のようで、こっちのデラウェアが今でも存在すのかとうかは不明ですけど・・・。 (おわり) 参考文献 ・ 「米国の企業には、なぜデラウェア法人が多いのか?(pdf)」 山本真理先生(弁護士) ・ 「MBOに関するデラウェア裁判所の審査基準の概要」 鈴木健太郎先生(弁護士) ・ 「JETROのデラウェアに関するQ&A」 ![]()
by NED-WLT
| 2007-09-11 02:18
| ちょっぴり経営学
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