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先の新潟中越沖地震の緊急地震速報を東京で受信したときの様子だそうです。
地震の波には初期微動(プライマリ波:縦波)と主要動(セカンダリ波:横波)があって、初期微動の波は、主な破壊現象を引き起こす要因となる主要動の波よりも早く伝わることが知られています。 この原理を利用し、このような装置には、地震が発生したら初期微動の発生を早期に捉えてその特性を分析することによって地震の規模や震源位置を推定し、推定した地震に関する情報を地震の主要動の波が到達する前に、主要動の伝播速度を超えてリアルタイムに各方面に伝達させる技術である「緊急地震速報技術」が使われているようです。 地震が発生してから速報を出すので、震源地に近いところでは速報の効果が薄れてしまうという弱点がありますが、将来はガスコンロ、ガス湯沸かし器や石油ストーブなどの室内火器にこうした装置を組み込むことで、地震発生の情報を得たら、実際に揺れが始まる前に火の元栓を閉じたり、火を自動停止させるようなシステムが標準化されて来るでしょう。 この技術を研究してきたのは独立行政法人防災科学技術研究所(防災科研)や気象庁で、成熟しつつある技術を利用して、いよいよ民間のメーカーが製品化に乗り出し、実用化段階に突入したということです。地道な努力を重ねてきた技術者の皆様に感謝です。 このビデオの中の速報装置は、ケーブルテレビ会社が試験的に実施しているサービスのようですが、今後は多くの企業が参入して来るでしょう。とりあえず携帯電話のサービスになるのは時間の問題だと思われます。どこの携帯電話会社が最も早く対応するかで、携帯各社の製品開発力はもちろん、決断力や組織力までをも比較することができる面白いケースです。株式情報と合わせて、注目です。 参考文献:公開特許広報(公開番号2006-112922) ■追記(2007年9月29日) 読売新聞オンラインの記事(2007年9月29日付け)によると、携帯各社の地震速報対応は、「NTTドコモが年末発売予定の新機種から、KDDIも来春から速報の配信を始める予定で、ソフトバンクモバイルは来年度中のサービス開始」とのことです。色々と失敗もあるようですが、やはりNTTドコモの組織としての基礎体力は強いと言えそうです。
by NED-WLT
| 2007-08-03 16:48
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