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これまでに数回しか会ったことが無いような知り合いとの関係を「弱い絆」とし、それと対照的に家族や親友、仲の良い同僚などとの関係を「強い絆」とします。直観では強い絆のほうが弱い絆よりも常に大切であるかのように思われますが、弱い絆にも大変重要な役割があるということが解ってきているようです。
この弱い絆理論の基となっている仮説を提唱したのは、米国の社会学者であるマーク・グラノヴェター(Mark Granovetter)という人です。彼はある人が新しい職を得るときにどのような人的ネットワークを利用しているのかを調べ、大変興味深い発見をしました(注1)。 調査結果では、まず過半数の人が新しい職を得るときに個人的なつながり、いわゆる「コネ」を利用していたことが解りました。そしてコネのうちの80%を超えるケースがなんと「弱い絆」であり、就職に際して「強い絆」が成功をもたらしたケースは20%にも満たないものだったそうです。 もちろんこの調査結果は米国のある時期における就職というかなり特殊なケースに限定されるものかもしれませんが、この理論は弱い絆がもたらす情報の有益性を強調したい場合にしばしば参照されます。 昨今ではブログやSNSにより形成されるネットワークが特にこの弱い絆理論の好例となっているように思います。うまく表現することはできなくとも、多くのブロガーたちはこうした弱い絆の重要性に十分気が付いているのではないかと思います。僕もブログを通して知り合った人々と比較的頻繁にオフ会をするようになりましたが、こうしたオフ会から得られる刺激は想像以上に大きなものだと感じています。 こうした弱い絆に対して強い絆というのはそもそも社会的な地位や価値観の似たもの同士の間で形成されることが多いはずです。もともと人間は価値観の良く似た人を好きになるものです。話の通じる人同士が友達になり、その輪は似たもの同士の間で広がります。こうした集団化は価値観の似ていないものを排除するという負の特徴も持っています。価値観の似たもの同士が排他性を持ちつつ集うのですから、強い絆で結ばれた個々の集団は、他の集団とは相互に不干渉となってしまう可能性が高いはずです(注2)。 強い絆が形成された集団というのは要するに「仲良し集団」なわけで、集団内では意見の正当性を議論することよりもむしろ関係維持のほうに心理が流れやすいのではないでしょうか。もともと似ている価値観から、反対意見などが提唱される頻度も小さく、どうしても集団内部での価値観は先鋭化し易いはずです。 こうした仲良し集団内部における価値観の先鋭化は、プライベートならまだしもビジネスの文脈においてはとても歓迎できない現象です。異なる価値観が許容できなくなり、幅広い視点を失い、ついには合理的な判断を優先することができなくなります。そうした集団のトップは集団内部で絶大な政治力を持つことになり、ビジネスにおける判断の多くが政治的に決まることになります。これら一連の現象は基本的にイノベーションを妨げるものだと思います。社外取締役の必要性や、異業種交流会、さらには異文化交流の大切さもこれと似たような理屈から説明できるでしょう。 とはいえ価値観の似たもの同士が集まってこそ文化というものが成熟するわけで、そうして堅固な企業文化を築くことが事業を成功させるために必要な要因の一つでもあります。結論としてここで強調されるのは「強い絆ばかりを優先させてはならない」というメッセージであり「弱い絆も大切にケアして行くべきだ」ということです。 気心の知れた仲間と飲みに行くのはとても楽しいことです。しかし時には同じ社内でも普段はあまり話をしない人と交流してみたり、オフ会や社外勉強会などに参加することで異分野で活躍する人と「弱い絆」を築いておくことは色々な意味で有用だと思うのです。有用か否かという視点ばかりで付き合う人を選別するという態度は人間としてとても貧しいものかもしれませんが、お互いに意味のある関係であろうとすること自体にはなんら恥じるところは無いのではないかとも思います。 (おしまい) (注1)この仮説に関する論文はMark S. Granovetter, “The Strength of Weak Ties”, The American Journal of Sociology, Vol. 78, No. 6 (May, 1973), pp. 1360-1380、及び”The Strength of Weak Ties: A Network Theory Revisited”, Sociological Theory, Vol. 1, 1983 (1983), pp. 201-233です。 (注2)ネットにおけるこうした価値観の先鋭化は、現実社会よりも急速に起こり急速に消滅します。この現象は特に「サイバーカスケード」と呼ばれているようです。サイバーカスケードに関しては「捏造の見抜き方-3」を参照して下さい。 ![]() ![]()
by NED-WLT
| 2007-06-15 00:22
| ちょっぴり経営学
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