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昨今、多くの分野で事業の一部を社外に委託するアウトソーシングが進んでいると思います。このアウトソーシングがもてはやされる理由の根幹は大きく2点。コスト削減と、社外の専門家の力を借りることによるパフォーマンスの向上にあります。
しかし現実にアウトソーシングをしてみると当初期待していたようなコスト削減効果は認めらなかったり、専門性に関しても社外に学ぶというよりもむしろ社外への重要なノウハウの流出を招いたりして大変なことになってしまう例も増えているそうです。 とはいえ変化の速度が速まっている現代社会において、いちいち全ての専門性を自前で抱え込み育て上げるような時間的余裕などもないので、こうしたアウトソーシングとは結局上手に付き合って行かざるを得ないというのも事実でしょう。 特にIT関連のアウトソーシングについての調査結果である論文(注1)を参考として、まずこうしたアウトソーシングが失敗してしまう理由となっているアウトソーシングの「隠されたコスト」について考えてみます。アウトソーシングに必要となるのは、見積書に書かれているようなコストだけではないのです。それから最後に、そもそも企業にとってアウトソーシングをしてはイケナイものとは何かについてコンセプトレベルで簡単に触れてみます。 隠されたコスト1:アウトソーシング先の調査・選定・契約にかかるコスト 容易なようでいて、実際には想像以上に時間もマンパワーもかかるのがアウトソーシング先の調査・選定・契約のプロセスです。一旦アウトソーシング契約をしてしまえば、後にその契約先を変更することにも多大なコスト(注2)がかかりますから、このプロセスはかなり慎重に進める必要があります。自社の求める能力のみならず、自社の企業文化に合致するかどうかもアウトソーシング先の重要な見極めポイントです。社内外での根回しにも相当な労力が必要となるでしょう。このプロセスは普通、1、2ヶ月では終わりません。 さらに言ってしまえば、アウトソーシングを売る側からすれば、こちらは数多くいる顧客の中の1社に過ぎず、こちらが望むようなエース級の人材を自社の担当者として配置してもらえるかどうかには常に疑問が付いて周ります。よく聞くのは、選定時だけエース級の人材が頻繁に顔を出してくるので好印象を持ったのに、契約後はそうした人材とはかけ離れた担当者しか現れないような状況です。社内の人間のほうがアウトソーシング先の人間よりも専門性が高かったりすれば目も当てられません。 隠されたコスト2:仕事を社内から社外へと引継ぐコスト 社内での引継ぎですら相当な時間と労力が必要なのに、これが社外となるとより大変です。大きな勘違いは、社内に蓄積されてきた知識はアウトソーシング先のトレーニング用資料として全て文書化できるというものです。現実には大切な知恵に限って、なかなか明確に文書の形でアウトプットできなかったりします(注3)。そして引継ぎをする社内の人間が自分の仕事が社外に持って行かれてしまうと感じているような場合には、感情面でのケア無しでは引継ぎもうまく行かないかもしれません。 隠されたコスト3:アウトソーシングを管理するコスト 一旦契約を終えてしまえば後はOKとなるはずもなく、普通は契約後も多くの問題と共に流れるのがビジネスというものです。契約どおりのサービスが為されているかどうかのチェックすら正しくできないような企業も少なくないと聞いたこともあります。また最初に合意した契約内容というものは、現実の運用を経験しない前のものですから、通常はその内容に不備があるものです。そうした不備に関して後にネゴを重ねて修正したりする仕事は、非常に骨が折れるばかりでなく、追加料金(オプション料金)が掛かったりもします。契約後はアウトソーシングを売るほうとしては、契約前に比べて値引きに応じる理由も少なくなりますから、こうした追加料金というのは割高となるのが常識です。 隠されたコスト4:アウトソーシング契約を終えるコスト 一旦為された契約がずっと続くというのはむしろ珍しく、ある程度の期間が経てばアウトソーシングしていたような業務がパッケージ・ソフトとして容易に入手できるようになったりして、ついには契約終了となるケースも多いものです。そうしたとき、アウトソーシング先から業務を取り戻すコストというのは膨大なものになります。何故って、契約を切られるアウトソーシング先は、もはや顧客ではなくなる会社に対して協力的であることは稀だからです(笑)。 アウトソーシングしてはイケナイ業務とは? 究極的には、ある企業における殆どの事業はアウトソーシングすることが可能な時代になってきています。そんなときだからこそ、逆にアウトソーシングをしてしまってはイケナイ事業とは何なのかが気になります。少なからぬ人は「自社の競争力のコアとなる部分」という回答をすると思いますが、では具体的にそうしたコアを見極める基準となるのは何なのでしょうか。これは相当難しい質問です。 ものすごく大雑把なのですが、この点について僕が気に入っている考え方は、「事業の面白い部分、楽しさだけはアウトソーシングしてしまってはイケナイ」というものです。先のエントリ「余暇に感じる罪悪感」でも取り上げましたが、「楽しさ」というのは人間を動機づける大切な要素の一つです。結果としてアウトソーシングしたほうが多少のコスト削減が出来たとしても、その仕事の内容が自社の従業員の多くにとって楽しく感じられるものである限りは、それをアウトソーシングするのは企業として儲かる儲からないを考える以前の問題、人間の問題としてナンセンスではないかと思うのです。 (おしまい) (注1)参考としたのはBarthelemy, Jerome, “The Hidden Cost of IT Outsourcing”, MIT Sloan Management Review, Spring 2001, Vol. 42 No.3です。50社のアウトソーシングに関するケースについて分析したもので、データはや古いのですが大変示唆に富んでいます。 (注2)特にスイッチング・コストと呼ばれ、アウトソーシングを売り物としている側は、このコストがなるべく高くなるような工夫をするのが普通です。 (注3)詳しくは『知識創造企業 ![]() ![]() 「機会費用 (Opportunity Cost)」 2006-05-27 「戦略とは何か」 2005-11-10
by NED-WLT
| 2007-05-25 05:38
| ちょっぴり経営学
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