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これまで、政治と外交に関する報道では、既存メディアの信頼性はかなり怪しくなるという話をしてきました。そうした失われつつある信頼性を補完してくれる可能性があるのが、ブログです。実際、今回の柳沢騒動でも、既存メディアの論調はブログの議論をむしろ追いかけているような印象すらありました。
報道の第一段階では「辞任せよ!」という論調が圧倒的に強かったものの、第二段階では「怒りだけでなく、言葉狩りにウンザリという意見も」という感じになり、第三段階では「柳沢発言は酷いけど、それよりもミスリードなマスコミなんて信頼ならん!」という意見が、むしろブログから「報道」されたというのが僕の印象です。第三段階はマスコミ批判なので、当然マスコミには取り上げられませんでしたが(笑)。 さて、確かにブログには、それこそ「捏造の見抜き方」なんていう既存メディアが書けないことを発信できるという強みもありますが、知っておくべき決定的な弱みもたくさんあります。今回は、そんなブログ情報を参照する時の注意点に関してまとめてみます。 1.ブログ管理人には、崇高なジャーナリスト精神なんて期待できない 簡単に言ってしまえば、ブロガーなんて誰かに脅されれば一発で論調を変えるということです。個人を特定されて、コメント欄に鍵コメントで直接脅しが入ってしまえば、そんな脅しに屈しないようなジャーナリスト精神をブロガーに期待するなんてまず無理です。また誹謗中傷でコメント欄が溢れれば、閉鎖に追い込まれてしまうほどに脆弱なのがブログというメディアの現実です。 そうした直接の脅しや中傷ではなくとも、有名ブログともなれば、社会的影響力が大きくなってしまい、発言の自由度がかなり損なわれます。例えば有名ブログが「あそこのレストランは良くない」なんてことをエントリに書いたら、そのレストランが大変なことになるだけでなくて、書いたブロガーだって損害賠償の訴訟を起されたり、そのレストランのファンによってブログが炎上させられてしまう可能性もあります。間接的にでも、ブロガーは自分をわざわざリスキーな状況に追い込むようなエントリをアップすることには抵抗があるのが普通でしょう。 要するにブロガーは、有名、無名に関わらず自分の利害を最優先する個人にすぎず、ジャーナリストとしてのプライドなんて到底維持し得ないということです。草の根ジャーナリズムなんてほとんど嘘っぱち。そんなものは無いと思っているほうが無難です。 例えば、僕のこのブログ「NED-WLT」だって、なんだか正義ぶった記事をアップしてはおりますが、ブログランキングの最高順位はせっせと宣伝しても、最低順位は絶対に公開しません(笑)。所詮、僕だって自分のことをブログを通して良く見せようとして必死なのであって、根底に流れているのはジャーナリスト精神ではありません。 『ネットは新聞を殺すのかblog』というアルファ・ブログがあります。正確には炎上によって更新が止まってしまっているので「あった」と言わねばなりません。管理人は、講演や執筆をこなすプロのジャーナリストでした。皮肉なことに「ブログ・ジャーナリズム」という言葉を使っている、ジャーナリストのブログが炎上によって、事実上、閉鎖されたということです。 圧力に屈しないで自説を貫くということは、プロのジャーナリストでも難しいことなのです。そんなジャーナリストが、どれぐらい既存のメディアに残っているのかということは甚だ疑問ではありますが、それでも、この点に関しては、匿名性がかなり緩い個人のブログというメディアは、相当脆弱であるという認識をしておかないとなりません。 ブログには書けない事実もたくさん存在するということは、知っておかないとなりません。ブログは不完全な報道を補うツールにはなりますが、それで十分である場合は殆ど無いと考えたほうが良いと思われます。 2.サイバーカスケードの罠 ご存知の方も多いと思われますが、この時代に知っておくべきキーワードに、サイバーカスケード(cyber cascade)という言葉があります(注1)。 もともと人間は、価値観の良く似た人を好きになるものです。話の通じる人同士が友達になり、その輪は似たもの同士の間で広がります。こうした「価値観の似たもの同士が、排他性を持ちつつ集う」という現象を、日本語では集団分極化と言うようです。重要な点は、こうした集団分極化は、リアルでは時間のかかることなのですが、インターネット時代には、きわめて短期間でも、非常に大規模に形成され得るのです。ネット上では、ひとたび柳沢騒動のような議論が起こると、インスタント仲良しグループの形成に、強烈なバブルが発生するということです。 そのような仲良しグループの内側では、意見の正当性を議論することよりもむしろ、関係維持のほうに心理が流れやすいというのは、皆様実感として理解できると思います。コメント欄は、基本的には「賛同」の意見で満たされます。しかしだからこそ、そうしたグループ内では、完全に誤っている情報でも瞬時かつ大規模に広まり、情報の正しさを検証するようなモチベーションはむしろ低く抑えられるという危険性があるのです。 さらに怖いのは、ネット上に分散する仲良しグループというのは、通常は相互に不干渉であるという点です。すると反対意見がなかなか提唱されないことになり、どうしてもグループ内部の意見が先鋭化されやすく、結果として偏向した意見が仲良しグループ内では常識化して行くことになります。このような一連の事象のことを、サイバーカスケードと言います。 さて・・・少し考えるとピンと来ると思うのですが、既存メディアが信頼ならない情報を垂れ流すようになってきている主な原因は、まさにこのサイバーカスケードの罠と同根であると見ることができます。主義主張が似通った人間だけが一貫して採用され、社内の非常に限られた人間関係に閉じているような新聞社に勤務している人たちは、どうしたって、思想が先鋭化し、結果として報道が偏向しやすいということです。 そのような既存メディアの信頼性を補う目的でブログを参照するのでしたら、サイバーカスケードから抜け出さないと、それは所詮、ジャーナリズムの無いバーチャル新聞を読んでいるようなものであって、むしろ有害かもしれないということが理解できると思います。 3.人気ブログの意見は信頼できるか もう、結論が見えている話ですが、はっきりいって、ブログの人気度と意見の正しさに相関関係なんてほとんどありません。むしろ人気ブログというのは「影響力があるのに、圧力をかけ易い」という、捏造を考えている人にとっては最高のツールとなり得ます。実際、人気ブログの管理人にお金を払って、商品の宣伝をしてもらうような広告手法は既にかなり広まっています。これが良からぬ方向に多用されるようになのも時間の問題でしょう。 ステルス・マーケティングという言葉を覚えておいて下さい(詳細はリンク先をどうぞ)。既存のメディアによる報道が信頼できないからといって人気ブログの意見が信頼できるということにはならないことがよく解ると思います。 アルファ・ブログがステルス・マーケティングに参加している可能性は、常に心のどこかに置いておく必要があるでしょう。彼らは別に、ジャーナリスト宣言をしているわけではないのですから、合法的な方法であるかぎり、ブログでお金を儲けても、他人がとやかく言えることではありません。 ただ、ステルス・マーケティングという言葉すら知らないと、一見既存メディアではないものを見ているようでいて、実は既存メディアとほとんど同じものを見ている可能性があるということです。特に、実名で記事をアップしているようなアルファブロガーたちの意見は、時に彼らの本心には決して忠実なものではないと覚悟しておいたほうが良いということです。 4.アクセス数を稼ぐテクニックは、今後必ず悪用される 下落してゆく既存メディアの信頼性を受けて、今後我々は、政治情勢などを判断するために、益々ブログ情報を参照して行くことになると思われます。しかし、ブログが発信する情報の信頼性を判断することは、既存メディアの信頼性を判断すること以上に、とても難しいことです。 そこで我々は、ブログの信頼性を判断するための数少ない材料の一つとして、アクセス数やページランク、ブックマークの数などを参考データとして利用しています。しかしこれは、人間には、避けがたく多数決の結果を盲目的に信頼してしまうという傾向が備わっていることを思い出すと、かなり危険な方法でもあるのです(詳しくは「捏造の見抜き方-2」をどうぞ)。 アクセス数やページランクはブログの信頼性を測るための重要な目安であるだけに、逆に、捏造を意図している人々にとっては、今後その利用価値が高まって行くと考えられるのです。具体的には、ブログを設置し、そのブログでアクセス数を稼ぎ、内容は99%までは正しい情報を掲載するのですが、ここぞという場面では、それとなく捏造を混ぜるという方法が考えられます。 アクセス数を稼ぐテクニックとして知られている方法はたくさんあり「アクセス数」で検索をかければすぐに見つかります。そんな中でも、いま最も熱い方法であると思われるのが「リンクベイディング(リンク餌撒き)」という方法です。 リンクベイディングは、個人でも簡単に使えるウェブ・マーケティングの正当な手法であり、実際にアルファ・ブロガーたちですら使用している方法ですが、当然、剣歯ギンポを潜ませる目的にも利用できます。また、我々自身がそれと知らずに、ほぼ毎日のように釣られているテクニックでもあります。 リンクベイディングに関する詳細については「驚くほどリンクが集まる「リンクベイティング」に世界中が釣られている」を是非、読んでみてください。もうこのタイトルからして、すごい餌ですよね(笑)。こうしたリンクベイディングは、あくまでブロガーたちが自然に利用するテクニックであるだけに、悪用されると逆に怖いとも言えます。 これは、匿名でありながら、アクセス数を稼ぐためのテクニックを不自然なまでに多用しているサイトが政治や外交の話題を扱っているときは、ちょっと疑ってかかったほうが良いのではないかという提案ですが、そもそもアクセス数を稼ぐためのテクニックに通じていないと、残念ながらどうにもなりません。 まとめ 我々にとって既存メディアが主な情報源であるという状態は、まだしばらくは続くと思われます。既存メディアは、自分たちの報道がブロガーによってどのように受け止められるかということを精査しています。その中には、ネット世論を気にしているものもあるでしょうが、当然、どこまでの捏造であれば大多数には見抜かれないのかということを研究しているものもあるでしょう。 ほぼ2年前のCENT Japanの記事「「マスコミからクチコミの時代へ」--自民党がブロガー、メルマガ発行者と懇親」を読んでみて下さい。政治はもう大分以前より、十分にブログの重要性を理解しています。かたや、ブログの読者は意外とそうしたブログの背後にある「意図」に関しては、無関心であるような気がするのです。 前回のエントリで「柳沢大臣の辞任に一貫して反対していた僕は、自民党の回し者ではないと言えるだろうか」という質問をしました。この質問の答えは「わからない」です。何度も申し上げてきましたが、僕は、現時点では特定の政党を支持したりはしていませんし、意図的に情報を偏向したりはしておりません。しかし、こうした「僕の発言」を信じるか信じないかは、皆様次第だということです。つまり、僕という個人が、いったいどういう「意図」でエントリを書いているかという部分に関しては、読者である皆様はかなり疑うべきだということです。 皆様にできることは、背後にある「意図」はあまり信頼しないで、ブログ上で展開されている議論のみを読み取り、その論の出来具合を判断するというのがせいぜいです。残念ですが、ここらへんが新しいメディアとしてのブログの限界でしょう。あたりまえですが、世の中に確かな情報なんてそうそう無いということです。 ■捏造に騙されない方法その3 ブログにはジャーナリズムは期待できず、内容に嘘が紛れ込む可能性は、それが意図的なものであるかどうかに関わらず、既存のメディアよりもはるかに高いということを覚悟しておく。サイバーカスケード現象によって、突発的に発生するブログの議論には偏りが出来てしまうことを理解し、努めて複数の異なる意見を入手するようにする。人気ブログを、単純に人気があるからという理由では決して信頼しない。アクセス数を稼ぐテクニックを妙に多用している人気ブログの意見は、おいそれと信用しない。 (まだまだ、こうした捏造や情報の取捨選択に関しては色々と書ける内容があるのですけど、これ、趣味として書くには、相当な労力と根気のいるテーマなだけに、ここらへんで長い一息を入れようと思います。そんな訳で、一応・・・おしまい。) (注1)この章作成には一部Wikipediaの「サイバーカスケード」の項目を参照しています。 これから数日間、ロンドンに遊びに行くので、コメントへの返答が遅れます。 ![]()
by NED-WLT
| 2007-02-19 05:17
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