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創造力を発揮して社会にイノベーションを起こして行くことが、成功し、また尊敬される企業を造るための王道だと思います。自分もイノベーターでありたいと考える場合は、同時にイノベーションを起こす者が陥りやすい罠について知っておいても損はないでしょう。
まずは、あるイノベーションが起こった時に、そのイノベーションから得られる利益は、イノベーションを起こした企業(Innovator)、顧客(Customers)や仕入先(Suppliers)、そして模倣者(Imitators and other "Followers")との間でどのように分配されるのか、という興味深い調査(注1)から、調査結果を示した円グラフを引用します。 なんとか、模倣者を締め出す方法はないものか。円グラフで、模倣者のケーキを小さくしてやれないものか。特許はどうだろう? 確かに特許は排他的な権利なので、本来ならばイノベーションを起こした者に一定期間の独占権を与えるはずです。しかし特許というのは、その出願から権利化までの期間が短くても3年程度と時間がかかり、ほんの数年以内で業界構造すら変化してしまうようなビジネス分野、特にインターネット関連分野には不向きであると言わざるを得ません。とはいえ長期的には、特許は最重要の課題であり、イノベーターとしては確実に押さえておきたいものです。 では、特許以外には対策は無いのか。知的財産権の侵害などものともしない相手との対決を迫られている場合はどうするのか。実は僕自身がこの問題に悩まされているのですが、なかなかズバッと解決してくれるような処方箋は無いようです。しかし、少なくとも模倣者としての視点を得ておくと、何かの役に立つようにも思います。 模倣者が付け入る隙、それはイノベーターの傲慢にあります。「すばやく動く模倣者たれ」という非常に示唆に富んだ本『Fast Second』の記述などを参考にして、模倣者が考えるイノベーターの弱点について見てみます。 1.イノベーションを起こす製品には競合製品が無い 当たり前のことなのですが、重要です。イノベーションを起こす製品というのは、それまでに市場に無かった製品であることがほとんどです。ここが問題なのですが、イノベーション的な製品が顧客に受け入れられている状態というのは、顧客からすれば「他に選択肢が無いから」という部分も多分にあるわけです。実際には、破壊的イノベーションを起こすような製品というのは、ほとんどその定義からしてSupply Pushな製品とならざるを得ないのです。 この点を模倣者である競合は狙ってきます。模倣者は、イノベーターの製品と顧客をよく観察することで、確実にDemand Pullな製品をデザインしてきます。イノベーターとしては、模倣者の模倣の仕方を逆によく観察し、そこから模倣者の視点を学び取ることがどうしても必要になって来るでしょう。自分達こそオリジナルだ、などと驕ることなく「模倣者の模倣をする」ぐらいの気持ちが必要になって来ます。 2.競合は価格競争を仕掛けてくる 競合は、イノベーターの強みと弱みを十分に分析してから、弱みを突く形で市場に参入してきます。残念なことにイノベーションが革新的であればあるほど、多くの模倣者が現れます。そんな模倣者として特に恐ろしいのが、先にも述べた知的財産権を侵害することなどものともしない企業と、巨額な資金と成熟した業務プロセスを持った大企業です。 模倣者の参入によって、顧客は製品を選べる立場になるので、どうしても製品価格面での競争が激しくなって行きます。製品の製造コストを低く抑えられるのは、自分達ではほとんど開発をしないコピー屋と、製造プロセスに優れた(スケールメリットを享受できる)大企業です。初めから彼らと価格面で争うのは無謀です。なんとか強力なブランドを構築することで、プレミアム価格を享受して行かないとなりません。 いかにして強力なブランドを構築するかという点に関しては多くのポイントがあると思われます。特に最近では、先のYouTubeの成功などによって「Famous Fast, Paid Later」戦略が注目されているように思われます。とにかく、イノベーションを起こしたら先行逃げ切りを目指して、初めのうちは儲けをエンジョイするのではなく、プロモーション活動に資源を集中させる必要があるということです。 とはいえ長期的には、製品市場の成熟とともに激化して行くコスト競争から逃れることはできません。なんとかブランド力で優位性を維持しつつも、厳しいコスト競争への準備をしておくことが求められるのでしょう。 3.イノベーションを起こした人々にとっては、製品は単なる製品以上の意味がある 模倣者にとって製品とは、数あるお金儲けの手段のうちの一つに過ぎません。ところがイノベーションを起こした人々にとっては、製品とはまさに自分達の情熱が具現化された特別なものなのです。社内では製品の開発ストーリーの一つ一つが伝説となっていたりもします。こうしたイノベーターの製品への「愛着」は、冷めた模倣者から見れば弱点です。 自社製品に対して強い愛着を抱くということは、換言すれば、自社の過去の栄光に囚われるということであり、新たな未来を創造して行くに当たって、ブレーキの役割を果たしてしまう可能性があるということです。へたなこだわりの無い模倣者のほうが、製品に関して、より客観的な評価をしやすいのです。 社内で製品にロマンチックなストーリーが与えられ「先輩が作りあげた伝説の製品には、やすやすと手をつけるな」といった雰囲気が少しでもあるとするなら、要注意です。なるほど製品を開発するときの情熱はいつまでも大切にしないとなりません。しかし、製品が完成した後は、特にそれがイノベーション的な製品であればこそ、第三者の意見を積極的に取り入れるなどして、客観的に評価して行く姿勢が強く求められるのだと思います。 (おわり) (注1)Teece, J. David, 1986, "Profiting from Technological Innovation: Implications for Integration, Collaboration, Licensing, and Public Policy", Research Policy 15, no. 6: 285-305 ■お知らせ ネット書店「ちょっぴり経営学」をオープンしてみました。所々虫食いで、まだ完成していない言わばベータ版ですが、ちょっと迷ったときなどに参考にしていただけると嬉しいです。
by NED-WLT
| 2007-01-16 05:02
| ちょっぴり経営学
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