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僕達の設立したベンチャー企業が、昨年、運良くオランダの新聞やテレビ番組で取り上げられて以降、複数の企業との合弁(買収)の話が持ち上がりました。初めは、これで一応の成功かなー、なんて甘いことを考えていたのですが(笑)、ベンチャーの企業の金銭的な価値を測定するときの大企業のシビアな値付けを経験し、合弁の話そのものは流れてはいないものの、僕達の側から積極的に食いつきたいような案件は今のところほぼ無くなりました(苦笑)。
実際に僕達のベンチャーは、現時点で巨大なキャッシュ・フローを生み出しているわけでもないので、セオリー通りに現在の利益や将来の利益予測から企業価値を割り出するような方法(注1)で企業価値評価(バリュエーション)をされてしまうと、ベンチャーに適用される割高な貸付の利子率や、利益を確定することよりも投資を優先させようとするメンタリティーなどと合わせると、どうしたって評価結果は格安になってしまうのです。これはまるで、子供の実力を評価するのに、大人の給与決定スキームをそのまま用いるようなものです。 僕達としては、このベンチャーに「化ける」可能性を見ているのですから、この「化ける」部分を数値化してくれない企業と合弁したり、自社を売却したりするようなことは到底出来ません。実際にほとんど利益を出していなかったSkypeに4,500億円(2005年、eBayが買収)、YouTubeに2,000億円(2006年、Googleが買収)という価格が付いたことは、旧来のバリュエーション手法をネット系ベンチャーに適応することの限界を示していると見ることが出来ます(もちろん、これらを現在の金融市場における金余りから来るネット・バブルと見ることも出来ます)。 ベビーな自社の企業価値を、短期的な利益や安定性だけで測定されたくない。成熟産業で減価償却の終わった「枯れた工場」のバリュエーション方法ではなくて、自分達に都合良く、まさにSkypeやYouTubeのバリュエーションで使われたような方法で値付けしてもらいたい(笑)。そんな思いから興味を持つようになったのが、行動経済学、すなわち人間の感情や心理で動いている現実の経済を、バブルも含めてありのままに理解しようとする分野です。 伝統的なファイナンスで習う理論株価とは、要するにバリュエーションの結果を発行株式数で割ったものです。では、現実に株価はこの理論株価通りに動いているかというと、全くNOなわけです。この点は、超有名ブログisologueで紹介されていた『ネット株の心理学』(MYCOM新書)を読んで開眼しました。この本は、慶應ビジネススクールの助教授が、「なぜデイトレで儲けることができるのか」ということを行動ファイナンス(注2)の観点から平易に書いたもので、僕が行動経済学を少しだけかじるきっかけになりました。 さて、発行株式数は短期的には定数とみなせますから、株価の変動は、企業のバリュエーションの変動そのものと考えることが出来ます。株価が人の心理や感情で動くのならば、バリュエーションもしかり。Web2.0なバリュエーションには行動経済学的なアプローチが求められているということでしょう。そこで、こうした行動経済学的な視点から、ネット系ベンチャーの経営戦略として個人的に見逃せないと思うのが、日経ビジネスオンライン「Web2.0(笑)の広告学」のYouTubeに関する記事の冒頭部分で触れられていた すなわち「まず有名になれば、リターンは後からついてくる」という、ちょっぴりアホっぽいアプローチです(笑)。でも、実際にネット関連の事業収益には、訪問者数(トラフィック)が重要な役割を果たすことは明白なわけですから、この戦略には少なくとも広告学的アプローチとしての説得力はあると思います。 本来ならば収益がすぐに上がることが一番望ましいのですが、ますますトラフィックの行き先が分散して行くWeb2.0環境において、ウェブ広告やアフィリエイト以外の方法で、コツコツと収益を確保するのは容易なことではありません。しかし逆に、こうしたビジネス・モデル構築の難しさというのは、成熟した大企業にとって大きな参入障壁として機能するので、弱小ネット系ベンチャーにとっては、苦しいのと同時に、大企業との直接対決を避けるためには実に有難いものでもあるのです。ネット系ベンチャーには「良く解らんが、結局いくら儲かるんだ?」みたいな質問ばかりするオジサンは居ませんからね(笑)。 たとえ自ら収益を上げることが困難であるとしても、少なからぬネット系ベンチャーは、単独企業としての短期的な収益よりもむしろ、自らをGoogleやeBayなどの巨大なネット系企業の価値を高めるために重要な「パーツ」として位置づけ始めていると感じます。パーツ単独では満足な収益を産めないかもしれなくとも、より強大なネット・システムの一部品たることで、大企業に価値を提供する道がはっきりと見えます。 ネット系ベンチャーのバリュエーション戦略、それは、なかなか儲かりそうも無いけど、社会的に広く有益と認知されるサービスを提供しつつ、儲かりにくいことをむしろ自社に優位となる参入障壁として考え、とにかく急いで有名になること・・・かもしれない、というお話でした(笑)。 (おしまい) (注1)例えば良く知られているのはDCF法やPERの倍率から逆算する方法などです。どちらも大雑把に言って企業の利益をベースにして適正な企業価値や株価を算出する方法として金融業界などで広く用いられています。非公開企業でも、公開している同業他社のパラメーターを参照するなどして近似的な値を出すことが出来るので便利です。 (注2)行動ファイナンスは、行動経済学における最先端の応用分野として認知されているようです。行動経済学一般に関しては、個人的には『行動経済学入門』(日本経済新聞社)が理解し易かったです。
by NED-WLT
| 2007-01-03 06:42
| ちょっぴり経営学
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