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ステルスというと、レーダーなどに探知されにくい黒い爆撃機のことが思い浮かびます。ステルスという英語には「秘密の、こそこそした」という意味があり、この単語がマーケティングの世界でも昨年ぐらいから話題になってきているようです。実際、この手法を専門とするエージェントも増えています。今回は、このステルス・マーケティング(注1)について備忘録をまとめます。
ステルス・マーケティングの意味は「消費者に対して、宣伝とは気付かれないような方法で宣伝をすること」というところでしょうか。日本でも、このような宣伝に従事する人のことを「サクラ」と呼んできた歴史があります。発想は新しくないのですが、このサクラの手口が日々巧妙化しつつあるという所がポイントです。 「すみません、ちょっと写真を撮ってもらえませんか?」 観光客っぽくて、感じの良い若いカップルに声をかけられたら、特に急いでいなければ、まあ撮影してあげるのが人情というものでしょう。渡されたカメラ付き携帯電話は、かなりの優れものです。うん、悪くない。はい、チーズ。良いね、この携帯。 このカップル、実はメーカーのサクラで、この時に渡されたカメラ付き携帯電話は、メーカーが売り込みたい新型機種だったりするという訳です。これは実際に某大手メーカーが実施したステルス・マーケティングの手法で、CBSのドキュメンタリー番組で取り上げられ賛否両論、話題になりました。 では何故このような詐欺まがいのような宣伝手法が、今、多くの企業に注目されているのでしょうか。勝手に以下、3つの要因(注2)を考えてみました。 *** 1.激化する企業間競争と広告にスレる消費者 いわゆるグローバル化によって、多くの産業分野では企業間競争が激化しています。激化した競争に勝ち抜くため、企業は莫大な費用を広告費として使ってきました。少なからぬ広告には、商品イメージを競合よりも少しでも良いものとするために、虚飾性が含まれています(注3)。そんな広告を信じて商品を買って来た消費者は、広告と現実の差を多くの実体験として学ぶことで、広告に引っかかりにくくなって行きます。換言すれば、消費者は企業の言うことを信頼しなくなって来ているということです。 2.メディアの多様化とメディア・ミックスの限界 「テレビを見て、新聞を読む」という消費者の行動は、明らかに過去のものになりつつあります(注4)。掲示板やブログ、SNSなど、消費者がどのようなメディアに限りある時間を使うのかということ自体が多様化してきており、テレビと新聞に広告を打つだけで商品の売り込みに成功するという事例は、明らかに減っていると思われます。これを克服する方法として知られているのは、メディア・ミックスと呼ばれる方法で、要するに多様化したメディアそれぞれの特徴を活かして、出来る限り広範囲に対応して行くという発想です。しかし、このようなメディア・ミックスはコスト面で問題があるばかりか、人々の時間の過ごしかたが益々多様化しそうな現代において、効果面でも疑問があります。 3.口コミ伝播速度の上昇 インターネットの普及に伴い、消費者による双方向コミュニケーションの機会が増えています。掲示板やブログに見るように、こうした双方向コミュニケーションは第三者にも開示されていることが多く、いわゆる「口コミ」の伝播速度は上がっていると考えて間違いないでしょう。例えば、面白いビデオがYouTubeにアップされれば、そのURLが掲示板やブログに貼られ、一気に広まります。 *** 企業としては、自分たちが直接前面に出るような宣伝の効果は薄れ、多様化するメディアに自らの力で対応することの費用対効果に疑問を感じているのです。ならば、伝播速度が高まった口コミを自社に都合の良いようにコントロールしたいというのは自然な流れと言えるのではないでしょうか。しかし・・・具体的に口コミをコントロールするということは、企業は、裏で糸を引く自分たちの存在を隠し、俗に言う「工作員」に宣伝の仕事をさせるということになりそうです。 これは、立場によっては詐欺スレスレとも考えられるわけで、倫理的な問題を超えて、場合によっては法律上の問題にもなりかねません。また、ステルスが消費者にバレた場合の炎上は、企業ブランドにとって相当痛いですから、そうしたリスクについても十分意識しないとならないでしょう。とはいえ、薬を理解するためには、毒についても知らないといけないように、知識としてステルスの存在を理解しておくことは重要です。 まとめの最後として、最近YouTubeで話題になった以下のビデオを見てみます。 とても微笑ましい映像ですが・・・皆様には、これが任天堂のステルスではないと言い切れますか?判断は消費者にまかされているとはいえ、怖い時代だなというのが正直なところです。まあ、自分だけ完全にクリーンで居られるなどとは思いませんけどね(笑)。 (おしまい) (注1)同じようなニュアンスの話として「アンダーカバー・マーケティング」、「バズ・マーケティング」や「口コミ・マーケティング」という言葉を使用することも多いようです。ただ、口コミは、必ずしもステルスである必要は無いため、これらを厳密に定義するならば、完全なイコールにはならないでしょう。 (注2)この3つの要素から抜け落ちる特殊なケースがあります。酒・タバコ業界です。現代先進国においては、酒やタバコを製造する企業にとって、それとわかる直接の宣伝キャンペーンを打つのは、常に訴訟リスクが伴う行為です。そのため、他の業界よりもずっと早くから、こうしたステルス・マーケティングの重要性を認識し、場合によってはそれを遂行していた可能性が高いと考えられます。 (注3)例えば、サラサラ髪の美女を使ったシャンプーの宣伝。僕もあんなサラサラ髪になってみたいと、値段が高めのシャンプーを購入したことがありますが・・・(笑)。 (注4)ちなみに僕の場合は、昔はテレビ大好きで、新聞も欠かさず読んでいたタイプなのですが、現在ではテレビは一切見ませんし、新聞もネットで拾う程度で、今後の人生で購読することはもはや無いと思われます。
by NED-WLT
| 2006-12-20 06:36
| ちょっぴり経営学
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