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頂戴した質問に僕の思うところを勝手気ままに述べてきたエントリ・シリーズもこれで最後です。シリーズ最終回となる今回は、小企業でも使えるブランド育成戦略その3です。
*** ポイントその3. 経験を製品の一部として売る 少なからぬラーメンの有名店では、店の内装には無頓着なフリをして、時にパイプ椅子を使ったりして、わざわざ使い古された感じを出したりしています。これは「職人気質なオーナーの店で食べる経験」を演出しているのです。大概、こういう有名店のオーナーの態度というのは、ぶっきらぼうですよね。それも演出であることがほとんどだと思います(注7)。 なかなか直感で理解するのは難しいと思うのですが、こんなラーメン屋さんの顧客は、ラーメンのみならず、そうした「演出された雰囲気」もラーメンと一緒に購入しているのです。ラーメンを食べるなら、やっぱりカウンターに座って、向こう側に麺を茹でる時の湯気を感じつつ、新鮮な野菜が積まれたダンボールなどが見えたほうが良い・・・と考えると、少し納得し易いでしょうか。実際、ラーメンをフレンチ・レストランで食べたいと思う人も少ないでしょう(笑)。 これだけでは・・・ちょっと良く解りませんよね(笑)。次の例では、もう少しクリアになると思います。昨年研修に行ったデンマークで、僕が実際に体験したことです。 場所はデンマークにある「Build-A-Bear Workshop」という名の縫いぐるみ屋さん。普通のおもちゃ屋とは違って、棚に置いてある縫いぐるみには、まだ綿が詰まっておりません(注8)。 そんな「痩せた」縫いぐるみの中から欲しいものを選んだ子供は、お店のお姉さんに綿入れ機械の前まで連れて行かれます。そこで子供は、ハート型をした小さな赤いキルトを選ばされるのです。お姉さんは、子供にこう話しかけます。 「ハートを両手にもって、お祈りするの。そしてこの子に命を吹き込んであげて。」 子供は一心不乱にお祈りします。そしてその赤いハートを綿と一緒に縫いぐるみの中に埋め込むのです。この日が縫いぐるみの誕生日です。だから、お店からは縫いぐるみの出生証明書も発行されます。 このお店が売っているのは、無機質な縫いぐるみのボディーだけでは無くて「ぬいぐるみに命を吹き込むという経験」であるというのは明白だと思います。そして子供が購入したのは、世界でたった一つの製品なのです。特別な経験が製品の一部となっていることで、その製品の独自性や入手のしにくさも増す事になります。 ブランド育成における重要ポイント、経験を製品の一部として売るということは、製品にエンターテイメント性を持たせるということでもあります。これは、非常に大切なポイントなのですが、意外と強調されることは少ないように思います。例外もあるでしょうが、基本的に買い物って楽しいですよね。そんな買い物本来の楽しさを、顧客により多く味わってもらいたいという気持ちを大事にしたいものです。 このようにして製品の一部とされるエンターテイメント性は、できれば受身の経験ではなくて、縫いぐるみ屋の例にあるように、顧客が製品の世界観の中で能動的に何かをするという参加型の経験であるほうが望ましいと思われます。顧客に参加してもらうことで、製品は顧客にとってより特別なものになるからです。 そろそろ忘年会のシーズンですね。忘年会では、少なからぬ人が同僚と鍋をつついたりするでしょう。鍋は、別に食べるためだけならば、厨房で調理してからテーブルに運べば良いはずです。でも、やっぱりテーブルを囲んで皆でグツグツやりたいですよね。これも経験を購入しているのです。あまりに日常的すぎて忘れているかもしれませんが、焼肉屋というのも参加型の経験を提供する場所です。注意してみると、多くの成功しているビジネスでは、このように顧客に経験を提供することをとても大切にケアしていることが見えてくるはずです。 最後にマメ知識。こうした「経験」のように形の無いものにお金を使うことに抵抗を感じない人は女性に多く、逆に男性は形のあるものにこだわる傾向が強いそうです。 *** 今回のエントリ・シリーズでは、小企業向けブランド育成の3点を考えました。これら3点はそれぞれに重要ですが、企業によっては品質こそが全てだったり、はたまた経験が一番重要だったりと、どの要件がより重要であるかには大きな違いがあるようです。また、これらの3点はお互いに完全に独立した要件なのではなく、それぞれが密接にリンクしています。 このシリーズでは、あくまで新規顧客を獲得して行く形で事業を拡大するという前提で話を進めました。しかし、先の(注2)でも触れたとおり、既存の顧客からの売上を増やす努力も決して忘れるべきではありません。時には、新規顧客に製品を売るためには、既存の顧客(リターナー)に製品を売る場合と比較して、6倍以上のリソースが必要になると言われることもあるほどです。 質問を頂戴したのをよいことに、また僕の勝手な思い付きをアクセル前回で展開してしまいました(汗)。ダラダラと長いエントリを最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。 (おわり) (注7)でもたまに、客商売をしているのに、その態度はひどすぎるのではないかと感じさせるオーナーに出合うこともありますよね(笑)。そういう人は、ブランド育成を完全に勘違いしている人だと思います。 (注8)綿を入れないことによって、在庫の縫いぐるみも小さなスペースに保管できたり、輸送コストも節約できたりするというオペレーション面でのメリットも見逃せません。 ![]() ![]()
by NED-WLT
| 2006-12-01 08:00
| ちょっぴり経営学
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