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小さな成功を収めると、自分の製品に自信を持てるようになると思います。すると利他的な使命感から、自社の製品をもっと多くの人に使ってもらいたいと思うようになるのも自然だと思います。だからと言って、製品の価格を出来る限り安くしたり、積極的なセールス活動のようなことをすれば良いものでしょうか。
顧客には避けがたく「結局、企業は自分達の金儲けのことを考えているのだから、彼らの言うことは信頼できない(注3)」という思いがあるものです。これでは、たとえ善意から価格を安くしたって、品質に問題があると誤解されてしまうかもしれません。また、信頼されにくい小企業による積極的なセールス活動は、押し売りのように感じられて、逆効果になってしまうこともあるでしょう。顧客がより信頼できるのは、企業の言い分ではなくて、その製品に関するユーザー一般の評判です。 巨大な資金でもって広告キャンペーンを打ったりすることが出来ない小企業が取れるブランド育成戦略その2は、まさに積極的なセールス活動の反対に位置する手法についてです。今回の話は、どこか経営学の「いやらしさ」が感じられてしまうようなものかもしれません。しかし、高品質な自社製品を多くの顧客に使ってもらいたいからこそ、販売を伸ばすためのテクニックも必要となってくるのだと思います。 *** ポイントその2. 入手のしにくさを管理する 例外も多数ありますが(注4)、少なからぬ製品にとって、その製品が「入手しにくい」ということは、ブランドの価値を高めると思います。単純なところでは、品薄でなかなか買えない状態をわざと作り出したり、競合製品よりもあえて高めの価格設定をしたり、期間限定品を販売したりすることは、ブランドを育成する方法として広く一般に知られているところでしょう。 定員割れを起こしている大学よりも、いつでも高倍率となっている大学にブランドが育成され易いことも、同じ理屈で説明できそうです。行列のできる店や、いつも予約でいっぱいの店、キャンセル待ちの店というのも、店名がブランドになりやすいと思います。その真偽はともかく、日本の美容師さんの中には、わざとキャンセル待ちを演出するような人もいると聞いたことがあります。 さて・・・悩ましい話なのですが、これまでに小さな成功を収めた製品を拡大販売して行くということは、この「入手のしにくさ」を犠牲にして行くことでもあるのです。その速度や方法を間違えると、せっかく育成したブランドを完全に壊してしまうことにもなりかねません。大学の経営者にとって、大学の定員を大幅に増やすということが、ブランド育成という側面から考えた場合、いかに危険な賭けであるかということを想像してみて下さい。 このようにして、事業拡大に伴ってブランドの価値が目減りしてしまうことへの対策としては、ターゲット顧客向けにブランド・ネームを分けてしまうという方法が考えられます。例えば、有名なファッションブランドであるアルマーニの場合は、ジョルジョアルマーニを最高ブランドとして、若者向けにエンポリオ・アルマーニやアルマーニ・ジーンズ、廉価版としてアルマーニ・エクスチェンジという具合に、ブランド・ネームを分けています。 では、こうした製品の希少性を上手に演出しさえすればそれでOKなのでしょうか。残念ながら、それほど単純ではないのです。悪い事に、あまりに入手が困難な状況を作ってしまうと、顧客が競合製品や代替品に逃げて行ってしまうことにもなりかねません(注5)。ほぼ同時期に販売が開始されたSonyのPS3と任天堂のWiiにおける初回出荷台数のコントロールでは、ここらへんの微妙なバランスを巡って、両陣営さぞ精緻な調査が行われたことと思います。 入手のしにくさを維持しつつ、機会損失を最小限とする最も根本的な対策としては、製品に競合製品には無い独自性を持たせることで、たとえ入手困難でも、顧客は自分の企業からしか製品を購入できない状況を生み出すことです。個人的には、こうした独創的な製品を生み出すイノベーションこそが全ての企業に課せられた共通の命題なのだと考えています。とはいえ、扱っているのがどうしても独自性を出すことが難しい成熟製品なのであれば、行列の出来るタイヤキ屋さんのように孤高の品質を達成するか、トヨタのようにプロセスでイノベーションを起こして競合よりも圧倒的に低いコストを実現することが、困難ですが有効な対策となります。 また、先に少しだけ触れましたが、もっともシンプルで強力なレバーは価格設定です。あまりに多くの人が行列を作ってくれたり、キャンセル待ちをお願いしなくてはならなくなったら、価格を上げることも検討するべきだと思います。ただし、製品価格というのは、下げるのは簡単なのですが上げるのは・・・とても困難なものです。顧客は、価格が上がったからには製品の内容もより充実したものになっていると期待します。過去のデータや聞き取り調査などから、価格の上げ下げによって顧客の需要がどれぐらい敏感に変化するのか(注6)ということを研究しておくことは重要だと思います。 (つづく) (注3)情報が、ある側により多くあって、別の側に少ないという状態を、特に「情報の非対称性」と言います。良く知られているのは、経営者と株主の間に起こる企業情報の非対称性に関する指摘で、これを「エージェンシー問題」と言います。経営者は、社内の全ての極秘情報にアクセスできる唯一の立場にあり、何か隠したい秘密があって、それに関して虚偽の情報を発信したとても、他者にはその嘘を見抜くことが困難です(破綻したエンロンのケースが思い出されます)。こうした事情から、そもそも経営者の自社に関する発言の信頼性は、顧客や株主からはもちろん、自社の従業員からすら常に疑われていると考えるべきだと思います。 (注4)ブランドにとって大切な3点という場合には、通常は「入手のしにくさ」よりもむしろ「シンボル」という点が強調されることのほうが多いように感じます(例えば、コカコーラは誰でも入手できるのに、非常に強力なブランドです)。しかし、小企業がシンボルを提供できるほどに広く認知される製品を持つことはまず稀であるという判断から、このエントリでは、あえてシンボルの下位概念としての「入手のしにくさ」に焦点を当てています。 (注5)本来ならば売れたはずの製品を、自分の都合で逃してしまうことを「機会損失」と言います。「機会費用」と良く似た言葉ですが、微妙に意味が異なり、この言葉の違いを理解することは結構大切だと思います。詳しくは、このエントリを参照して下さい。 (注6)経済学では、価格弾性力という言いかたをします。価格戦略に関しては、マッキンゼーが25年に渡り蓄積したというプライシング戦略のノウハウをまとめた『価格優位戦略 ![]() ![]()
by NED-WLT
| 2006-11-30 07:47
| ちょっぴり経営学
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