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マーケティング系の人々にとっては何を今更という話ですが、現代における顧客第一主義というのは口で言うほど単純な話ではありません。色々と思うところがあったのでエントリにしてみることにしました。例によって、僕が書く内容には独自性などはなく、あくまで僕自身のためのまとめとしての位置づけです。
ボタンが多すぎて使いにくい家電製品、過剰なサービスで運賃の高い航空会社、いらない機能が追加されてゆくブログ(笑)、グラフィックばかりが美しくなって全然中身の無いゲーム、ゲーム機なのかPCなのか映画を観るためのものなのか全くハッキリしないのに値段ばかりが高い箱・・・。 企業間競争が激化している現代における失敗製品の特徴は、製品が供給者側の押し付けがましい理屈でデザインされているということです。企業が「何をやらないのか」ということをハッキリさせず、つまり選択と集中を実践せずに、何でもかんでも手広くやろうとすると、まず必ず陥る状態でもあります。「複数製品を統合する(注1)」なーんてカッコイイことを言っても、その根元は優柔不断なマネジメントにあったりします。 こうした状況を「供給者側の押し付け」という意味で「Supply Push」ということがあります。特にこういうことは「技術的に可能だから作っちゃった。出来たから買って!」という具合に、技術系の製品で顕著に起こりやすいので、「Technology Push」という言い方もします。自分で開発した技術を愛してしまうのはエンジニアとしては当然のことだからこそ「Technology Push」には注意が必要なのです。 これに対して理想的とされているのが、顧客や市場一般の欲求・要求から「引き出した」という意味の「Demand Pull」または「Market Pull」な製品デザインです。例えば、高齢者向けにボタンを大きく、かつ機能を必要最小限とした携帯電話などはその好例だと思います(注2)。 では、顧客や市場に本当に求められているもを理解するには実際どうすれば良いのかということになりますが、ここが難しいところ。まあ、フォーカス・グループとか言って、数名の顧客を会議室に集めて意見を聞きだすみたいなことはどこの企業でも頻繁に行われているようですが、そうそう上手く行かないわけです。アンケート結果からデザインを考えるという方法も、全く成功を担保してはくれないと思います。 現実には、多くの人の意見をデザインに取り入れれば取り入れるほど、製品は平均的でつまらないもの、また無駄に多機能なものになって行くものです。逆説的ですが真剣に「Demand Pull」であろうとするからこそ、結果として「Supply Push」になってしまっている場面が少なくないかもしれないということです。 これは「顧客は自分達が欲しいものを知っている」とか「顧客の意見こそすべてだ」という誤解から来ていることがほとんどではないかと思います。確かに、需要が供給を完全に上回っていたような高度成長期であれば、顧客の要求(需要)を知るためには、実際に顧客にインタビューをして意見を製品に反映させればそれで成功していたのかもしれません。 しかし、現代のようにモノが溢れている時代には(注3)、往々にして顧客自身にも自分の求めているものが何だか解らないのです。ここらへんは、いわゆる「自分探しの旅」のようなものが流行っていることと通底していると思われます。自分探しが必要だと考えている現代の人々に、欲しいものを詳細に聞いて回るなんて、ちょっとナンセンスだと思いませんか? 例えば、スーパーマーケットで買い物をする顧客というのは、多くの商品を「衝動買い」することが知られています。もともとスーパーマーケットには、ある特定の商品を買いに行ったのに、全然関係ないものまで買ってしまった経験は誰にでもあるはずです。スーパーマーケットの経営者は、顧客が欲しがるモノを顧客に直接質問するだけでは足りないということを、こうした事例から良く理解しています。 ここらへんの問題を解く鍵は「顧客の言葉ばかりを信頼せずに、顧客のことを、あたかも夏休みのアサガオのごとく観察すること」にあると思います。顧客自身がまだ気が付いていない欲求を、顧客を注意深く観察することで見つけ出すことが、現代社会における企業間の戦いの現場なのだと思います。 現実として、現代の先進的なスーパーマーケットでは、顧客の衝動買いパターンを知るために監視カメラを使っています。監視カメラは犯罪防止用に設置されているという常識は、マーケティングの世界では、もはや古いものです(注4)。 もちろん、顧客の意見こそが最重要の威力を発揮する場面もまだたくさん残っていると思います。しかし、誰が聞いても答えてもらえるようなアイディアだけで圧倒的な競争優位を確立できるようなケースは、もはや稀だと考えたほうが良さそうだという話でした。 今一度、ウィザードリィ#1のようなゲームを・・・(笑)。 (おわり) (注1)いくつかの異なる製品を統合して新製品を作るというのは、発想としてはアリだと思います。しかし、携帯電話とメール、インターネットを統合することに大きな意味はあっても、冷蔵庫と洗濯機を統合しても意味がないことは明白です。過去の成功例にある統合のパワーを信奉するあまり、意味不明な統合をしてしまうことは、陥りがちな罠だと思われます。 (注2)しかし、こうした製品が本当に儲かっているかというのは別の問題です。Demand Pullであろうとすることは、同時に少量多品種への挑戦となることが多く、こうした少量多品種を大量生産品と同等なレベルの儲けを維持しつつ実現するためには、ITをフル活用したオペレーション面でのイノベーションがどうしても必要になって来ます。 (注3)もちろん先進国限定の話です。発展途上国では、まだまだ生活に必要となる基本的なものも入手困難であり、そうした場所では、まったく別のマーケティングが必要になってきます。 (注4)実は、顧客だけでなく従業員もモニターしています。顧客や従業員の行動パターンを知ることで、より効率的な運営をしようとしているのです。しかし、こうした監視が果たして倫理的に許されるのかというのは、また別の問題です。 ![]() ![]()
by ned-wlt
| 2006-11-23 06:10
| ちょっぴり経営学
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