テネリフェ島旅行記－6

今年の9月の話なのに、まだエントリを書き終わりません・・・。カナリア諸島最大の島、テネリフェ島旅行記その6です。今回は、テネリフェ島で飲み食いした美味しいもの編です。まずは、カナリア諸島の伝統的なソース、モホ（Mojo）からです。ニンニクやクミンなどの香辛料をたっぷり使い、それをオイルとビネガーを用いてペースト状にしたピリ辛系のソースです。最も一般的なのは、上の写真にあるベルデ（Verde＝緑/グリーンペッパーベース）とロホ（Rojo＝赤/レッドペッパーベース）ですが、その他にもチーズを入れたものなどもあるとか。これは主に茹でたジャガイモなどに付けて食べるのですが、レストランの人の話では、パンや肉料理、魚料理にも合うそうです。要するに、ピリ辛が欲しいときにはいつでも使えということなのでしょう（笑）。このモホ、美味しかったのでお土産に買って来ました。

次に、カナリア諸島はテネリフェ島のビール！「そんなのあるのか？」という疑問はこもっともです。しかし・・・ありました！テネリフェ島にあるスペイン最高峰のテイデ山（3,718m）と、カナリア諸島原産で、最も長生きする植物とも言われる龍血樹をトレードマークとするビール、その名も「DORADA」。さっぱりとして、のどごしも軽く、常春の島のビールらしい味わいです。どちらかというとヨーロッパのビールらしからぬ感じで、むしろ日本のビールに似ています。滞在中は、昼夜となく毎日これを飲んでおりました（笑）。以下、DRADAを管理する会社のオフィシャルページを参照しつつ、このビールの歴史について簡単に触れてみます。

1939年8月に地元の複数のビジネスマンがテネリフェ島最初のビール醸造所を設立する計画を立て、装置をドイツから購入しました。ところが、時は第二次世界大戦の前哨戦と言って良いスペイン内戦（Spanish Civil War）が一段落した1939年3月から半年も経っていない微妙な時期でした。残念ながら、スペインは内戦の傷も回復しないうちに、第二次世界大戦へと巻き込まれて行きます。このため、ビジネスマン達が1939年に購入したビール醸造用の装置は使われないままに保管されます。この装置によって、実際にビール醸造が開始されたのは購入からおよそ10年もの歳月が経った1948年4月30日のことでした。もしかしたら戦後復興の象徴としての意味もあるのかもしれません。DORADAはその販売開始よりテネリフェ島の人々に受け入れられ、現在でも島で最も愛されているビールのようです。

カナリア諸島では、ワインも盛に作られているようです。酒好きの僕は、当然、多くのカナリア諸島ワインを試しました。中でも気に入ったのは、さきに紹介した階段ピラミッドが発掘されたグイマール（Guimar）で作られてる白ワインでした。美味しいのにも関わらず、非常に安いワインでした。またピラミッドのあるグイマール産ということで話題性もあったので、お土産に数本買って帰りたかったのですが、やはり子連れでは難しく、断念しました。

もちろん食べ物もとても美味しかったですよ。殆どはホテルのビュッフェで済ませましたが、そのビュッフェの質が高かったので、存分に楽しめました。その中でも、ラム肉とキャビア付きの浅漬けチコリの組み合わせなどは、もう最高に美味しかったです。食べ物と言えば、地元の市場やスーパーを見て回るだけでも十分に楽しめました。書ききれないので、写真にまとめちゃいますが、市場では果物、香辛料、魚介類、そしてイベリコ豚のハムなどが特に印象に残っています。実は、イベリコ豚を食べたのは、このときが初めてでした。イベリコ、美味しすぎです（笑）。そんな中、テネリフェ島に来る前に同僚のスウェーデン人に「絶対に食べるように」と勧められていたのがメカジキ（Swordfish）。僕たちは、宿泊していたCosta Adejeからやや北に行ったところにある漁村を訪ね、お昼にそこのレストランで、このメカジキ（おそらく尾のくびれている部分の身）を食べました。これは・・・かなり美味しかった。魚そのものの味はもちろん、調理法がまた味を引き立てていました。スウェーデン人が、魚の味を理解することが証明されました（笑）。この魚が、テネリフェ島で食べたものの中でも特に、今でもはっきりと記憶に残っているものです。

（まだ、つづく）