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機会費用(Opportunity Cost)とは「ある行動を選択したために、結果として諦めることになった別の行動から得られたはずの利益のうち、最大のもの」です。この概念を理解しておくことは、とても重要なことだと思います。この、短いまとめだけでは解りにくいので、「子育てにかかる費用」という文脈で、機会費用についてまとめてみます。
子育てに必要になるものというのは、想像以上にたくさんあるものです。ベビーカーやチャイルドシートなど、比較的長く使えるものもありますが、子供の成長は早いので、子供服などは、せっかく素敵な物を選んでも、すぐに着られなくなってしまいます。その他の消耗品、ベビーフードなどの費用もばかになりません。教育一般にかかる費用ともなれば、それは大変な額になります。ところで、ここまでは、子育てにかかる「直接の費用」です。こうした直接の費用を計算するには、単純にレシートを積み重ねて行けばよいので、簡単です(面倒ではありますが・・・)。 ところが、子育てにかかる費用を、この直接かかる費用だけで見積もると、人生計画を大きく誤ることになるかもしれません。ビジネスや人生において、どのような選択をするときにも、「隠れた費用」ともいうべき、機会費用のことを考えることが大切です。 子育てにおける機会費用とは、すなわち「子供を産み育てることに決めたために、そう決めなければ得られるはずであった利益のうち、最大のもの」です。働く女性を例に取れば、これは仕事から得られる収入である場合がほとんどでしょう。 政府(内閣府)によって作成された、ちょうど良いモデルケースを見つけたので、それを取り上げてみます。17年度版の国民生活白書(pdf)によると、第一子出産を機に退職し、第二子出産後1年で別の企業に就職、定年まで勤務することにした女性の場合、出産・子育ての機会費用は5,880万円にもなるそうです。 こうした機会費用の問題を無視して、妊娠・出産を機に、女性に退職を迫る社会というのは、ひどいと思います。あくまでモデルケースですが、この5,880万円という数字を知った上で、出産・子育てに踏み切るかと問われれば、少なからぬ人はためらうと思います。この機会費用を小さくすることが、少子化対策の一つであることは論をまたないでしょう。具体的には、有給での育児休暇の整備はもちろん、育児休暇の取得が昇進に不利に働かない人事制度などのハード面と、育児をサポートする企業文化の育成といったソフト面での対策が望まれます。 ここまでは、子供を産むことで発生する機会費用についてでしたが、逆に、子供を産まないという決断にも機会費用が存在することを忘れるべきではないと思います。例えば、子供がいるからこそ、辛い場面でも頑張れるという人も少なくないでしょう。これは、先の「経営者への階段-1」でも取り上げた「利他性」の一形態に他ならず、そうした、+アルファの頑張りが仕事や勉強の結果に与える効果は想像以上に大きいと、僕は思います。収益への貢献は、間接的で計算することが困難ですが、これらは、子供を産まないと決めた場合の機会費用に影響します。 もちろん、子供を産み育てるか否かという選択には、金銭的な考察以上に、個人の人生観のほうが重要に作用するものであることは言うに及ばないと思います。儲かるか、儲からないかという理由で、産む、産まないを決めるべきではない、というのは正論です。かといって、金銭的な部分について、完全に目をつむってしまうというのも、現実を考えると、あまりにナイーブであると言えます。 ビジネスでも人生でも、どのような選択をするにせよ、その良い点、悪い点を多角的に評価するべきで、そのときに、機会費用という項目も、そうした評価に取り入れるべきではないか、という話でした。 *** 蛇足 今回取り上げた「機会費用」と似た表現に「機会損失」という言葉があります。よく混同されている場面を見かけますが、僕は、この二つは微妙に違う概念だと考えています。それは「機会」という言葉の後に続く「費用」と「損失」の意味上の相違から来ていると思います。 短くまとめると、費用とは「直接・間接に収益の獲得を目的として出て行くお金のこと」で、損失とは「収益の獲得に貢献しない、無駄に出て行くお金のこと」です。どちらも、広義には「損金」と言えますが、それでも、費用は「ポジティブな損」、損失は「ネガティブな損」と換言できると思います。こうした費用と損失の違いが理解できると機会費用と機会損失の微妙な違いも感じられるようになると思います。 つまり、機会損失は「得られたはずの利益を、自分の都合で失ってしまった」というネガティブな意味を含む概念で、機会損失は、少なければ少ないほど望ましいということになります。すなわち、機会損失を計算するということは、まさに「取らぬ狸の皮算用」をするということです。ビジネスの文脈では、「企業側の都合で、本来ならば成立させることができたはずの取引のチャンスを逃すことによる売り上げの減少」ということです。例えば、在庫切れや、セールスマンの病欠などによって、本来ならば取れるはずだったのに、失われてしまった売り上げなどのことです。 これに対して、機会費用は、ビジネスでも人生でも「どのような判断・選択をするとしても、必ず発生する費用」なので、そもそも少なければ少ないほど良いということはありません。何かを得るというポジティブな意思決定を下すために、別の何かをあきらめることで発生する費用のことです。意思決定の結果として得られる収益と費用を比較してみないことには、その良し悪しの判断がつきません。例えば、巨額の機会費用が発生するようなプロジェクトでも、それを十分に上回る収益が得られるのであれば、それは良いプロジェクトということになるでしょう。
by NED-WLT
| 2006-05-27 05:51
| ちょっぴり経営学
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