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個人的によく参照している、学習とイノベーションに関する論文があります。一度、内容を整理しておきたいと思っていたので、エントリとしてまとめることにしました。引用している部分は、例によって僕が頼りない語学力で意訳したものなので、そこらへんが気になるかたは原典を当たって下さい。参照している論文は「Cohen, W. and Levinthal, D., 1990, “Absorptive capacity: A new perspective on learning and innovation”, Administrative Science Quarterly, 35(1): 128.」です。
ある分野Aについて学習する場合、既に、分野Aに関連する分野Bの知識を持っている場合と、そうでない場合とでは、吸収力(学習効果)に顕著な差が出る。例えば、代数についてきちんと理解している学生が、微分・積分のようなより高度な数学を習得することは、基礎的な数学の知識の無い学生が微分・積分を習得しようとする場合と比べて、ずっと易しい。ヴァイオリンをマスターした人が、チェロの練習を始める場合と、弦楽器に触れたことも無い人が、チェロの練習を始める場合とでは、その後の吸収力に歴然とした差が出ます。英語を既にある程度マスターしている日本人にとっては、第二外国語を習得することは、比較的容易なものです。とても当たり前に感じられることですが、実務には意外と適用されていない理論だと思います。 例えば、ある新しい分野に事業を拡大しようとする場合は、その後の吸収力を最大とするために、新事業に携わるメンバー全員が、そのマーケットの特徴など、事前に学べることはきちんと学んでおくことが想像以上に大切なことになります。特に、こうした新事業などは、一度顧客が付いたりすれば、現場はしっちゃかめっちゃかで、とてもメンバーの皆で座学に勤しむような時間が無くなります。面倒でも、事前にメンバーで参考図書やホームページなどのリストをまとめ、しっかりと勉強しておくことは、メンバー皆の吸収力を最大にし、きっと後の事業の発展を助けると思います。新規事業の早い時点で、業界に詳しい方を講師として呼んで、勉強会を開くことなども、とても有効であると考えられます。また、メンバーの選定に当たっては、ちょっとでもその新事業と関連する知識を持っている人のほうが、そうでない人よりはずっと良いということになります。マネージャーには、メンバーの知識のベースラインをきちんと把握しておき、その成長を管理してゆくことが求められます。 新入社員研修、中途採用社員研修、平社員からマネージャーになる時のマネジメント研修などを、意外とあまり重要だと考えない人もいるようですが、この理論によるなら、新しい挑戦に入り込む前の準備学習というのは、後の実務の吸収力に大きく影響する、とても重要なものです。転職を控えている人にとっては、次の仕事に関連する知識を、出来る限りたくさん自習しておくことが重要となるでしょう。 思い切って一般化するなら、知識の幅を広げておくという作業は、多くの分野に関して吸収力を高めておく効果があるということです。すなわち、幅広い知識の習得は、急激な環境の変化にも柔軟に対応するための基礎となるのです。これは、好奇心を持って、幅広い分野にアタックしてみることの大切さを支える理論であると言えるかもしれません。 当然の帰結として、全く新しい分野の勉強を始める場合は、どうしても、吸収力は小さいものとなるので、その習得には相当の覚悟が必要になってきます。吸収速度が遅いうちは、その分野の勉強は苦痛で、なかなか楽しいとは思えないのが普通でしょう。 換言すれば、勉強量がクリティカル・マスを超えるまでは、ある分野に関する好き・嫌い、向き・不向きなどの判断はそうそう出来ないということです。ここらへんは、子供の教育においても、とても重要な意味を持ってきそうです。子供が、算数が嫌いだと言ったとしても、それはもしかしたら、算数が嫌いなのではなくて、単純に吸収力が十分に発揮されない分野の勉強は楽しくないという、当たり前のことを言っているだけかもしれないのです。もしかしたら、同じ子供が、クリティカル・マスを超える量の計算をこなした後には、天才的な能力を発揮することになるかもしれません。一時期批判されたような詰め込み学習も、学習におけるこうしたクリティカル・マスの存在を認めるならば、その必要性がより鮮明になるような気がします。 ![]() ![]()
by NED-WLT
| 2006-02-16 07:14
| ちょっぴり経営学
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