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前回に引き続き、ハーバード大学の戦略の大御所、マイケル・ポーター先生による、国家の競争力に関する論文を読んで思ったことをまとめます。今回が2回目です。
ある国家の成功は、その国の才能あふれる若者が選ぶ教育分野(人気となる学部・学科など)や職種などに大きく依存する。少し以前までの日本では、多くのエリートが国家一種の公務員になりました。これは、ポーター先生の発想からすると、実にもったいない話かもしれません。日本の競争力のためには、日本が得意とする産業分野に、多くの才能が自然と流れて行くようになることが理想的でしょう。 ところが最近は、エリートの国家一種離れが進みつつあるようです。仮に国家一種に合格し、キャリア官僚になっても、留学後などに公務員を辞めてしまう人も多くなってきていという話です。こうした現象は、才能あふれる若者が官僚機構の中でその才能を埋没させることなく、民間の産業で実力を発揮して行く道を選んでいるということですから、国の大戦略にとっては、良い傾向だと思います。 ただ、全体として、学生の理系離れが進んでいることには、言い知れぬ不安を感じます。自分が理科系出身だからかもしれませんが、やはり、これまでの日本の成長を支えてきた、高度な科学技術の知恵が失われて行くことには、かなりの危機感を覚えます。もう少し、日本はエンジニアを大切にして欲しいです。 ある国家は、その国のヒーローが生まれるような業界で、特に強さを発揮する傾向がある。スイスでは金融と医薬品業界からヒーローが出ているが、イスラエルでは、農業と国防関連の業界からヒーローが出ている。日本の産業界で、尊敬されるようなヒーローというと、本田宗一郎、松下幸之助、盛田昭夫、井深大、大野耐一、最近では、カルロスゴーンあたりでしょうか。異論もたくさんあるでしょうが、僕の理解では、日本では目に見える、消費者向けの製品を製造するメーカーから、伝説になるようなヒーローが多く輩出されているような気がします。 メーカー以外の産業では、小津安二郎や黒澤明、手塚治虫や宮崎駿なども、世界で広く尊敬されており、日本ではヒーローと考えられているように感じます。日本人は、映像美を生み出すことにかけては、もっと強い自信を持つべきかもしれません。 一方で、日本では、金融やインターネット関連などの業界は、残念なことに「虚業」と揶揄されることが少なくなく、そうした業界で目覚しい業績を生み出しても、なかなか日本人一般の尊敬を集めることはないように思います。金融やインターネット業界から、日本の産業界で広く受け入れられるヒーローが現れるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。 ある国家が成功する産業分野は、世界に打って出る以前に、その国家のローカルマーケットで、既に激しい競争を経験し、十分に鍛えられた産業である。また、国家内部でも、さらに一定の地域に集中した産業(例えば、浜松の楽器産業)は、世界的な強さを見せることが多い。競合や顧客、そのサプライヤーなどが集まって、地域的に集合体を形成することが、企業にとっては相互の利益となり、国家の競争力を押し上げる。多くのメーカーが一つの分野で乱立する日本では、やはりメーカー間の競争の激しさが特に目立つように思います。これについては、ポーター先生の論文でも、日本における産業別の企業数に関するデータを表にして取り上げています。データが1987年のもので、非常に古いのですが、しかし、このデータサンプルによると、日本では、機械産業に最も企業が集中しており(112社)、次に半導体(34社)、造船(33社)、音響機器(25社)と続きます。もちろん、業界内部でひしめく企業の数だけで、業界間の競争の激しさを比べようとすることには無理があると思いますが、それにしても機械産業の突出した企業乱立の度合いからは、さながら製品開発の現場は、戦国時代のような状態なのだろうと予想されます。 日本で、一定の地域に集中している産業ということでサッと思い浮かんだのは、東京大田区の金型産業、秋葉原の萌え産業、表参道から原宿、明治通りにかけてのデザイン事務所やファッション関連の企業が集まる地域、神田の古本屋と出版関連の企業群、築地の寿司屋、地方では、シリコンアイランド(半導体関連企業がひしめく)の九州といったところです。最近では、IT関連企業が集まった渋谷のビットバレーもあるかな。なるほど、どこも確かに世界的に見ても高い水準の産業になっているような気がします。 激しい競争によって、企業は危機的な状況に陥る機会が増えます。先に引用したとおりに、イノベーションは危機的な状況下でこそ生まれるとするなら、こうした競争の環境が整ってこそ、国の競争力を支えるような産業が、他国による模倣のスピードを超えて育って行くのでしょう。 (つづく)
by NED-WLT
| 2006-01-29 05:51
| ちょっぴり経営学
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