すいとん(水団)は、先の太平洋戦争時の深刻な食糧不足のなかで、米や芋などの主食の代用食として、広く食されていた料理です。すいとんとは、基本的には、小麦粉(時にうどん粉)で作っただんごを、薄い味噌や醤油などの汁で煮たものです。
悲しい歴史の中で、苦し紛れに日本で広まったレシピではありますが、我が家では、だしをしっかりとって、キノコや豚肉、ニンジンや大根、さらに余ったご飯なども入れて、具沢山の贅沢なすいとんを頂きます。素朴で飾らない美味しさが魅力です。
最近は、公私ともにとても忙しく、少しイライラしていました。そんな中、数年前に定年退職された高校時代の恩師から、大学でいくつか授業を聴講したり、ボランティアをしたりして、元気にしているという手紙が届きました。ヨーロッパの寒い冬、すいとんを食べながら、この手紙を何度も読んで、なんだかとてもゆったりとした気分になったのです。
ちなみに、奥に黄色く写っているのは、タクアンではなくて、マンゴーです。