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今から5年ほど前、梅田望夫さんの「自分より年上の人に会わない」という宣言に出会いました。それ以来、僕の中で何かが変わったという実感があります。実際、今、僕の「仲間」と言える人の多くは年下です(いや、例外はありますよ)。べつに先輩風を吹かせたいからではありません。単に、そのほうが面白いからです。
あれから5年、そんな状況にはあまり疑問を抱かずに過ごしてきました。でも最近、ちょっと気がついたことがあります。それは、なぜ今、年上であることのアドバンテージが失われつつあるのかということです。 考えてみたのは「人類の歴史の中で、年上であることのアドバンテージが失われた時代は、現代以外にも存在するか」という命題です。 ●他者に対するアドバンテージの源泉 だいたいの時代において(社会階層を固定すれば)年上であるということは、それだけで価値のあることだったはずです。なぜなら年上は、豊富な人生経験をもってして、年下に有益なアドバイスができたからです。そう、普通の時代には。 安全な食べ物、安全な場所、病気への対処、子育ての方法、狩猟や漁の方法、種まきの時期、収穫の方法、踊り方、歌い方、言葉の使い方、ビジネスのやりかた・・・生きるための知恵、楽しむための知恵、そしておそらくは戦いの知恵まで含めて、人類はほとんどの時代、年上が年下に知恵を伝えてきたわけです。 他者に対するアドバンテージの源泉とは、役に立つ知恵の蓄積です。そして、人類史上においては、多くの時代、役に立つ知恵は年齢とともに増えていく傾向があったわけです(注1)。 ●年齢が不利になるとき であれば、現代のように年上であることのアドバンテージが失われる時代とは「年上である」というだけでは、有益なアドバイスができない時代ということになります。それは、次々と新しい知恵が生まれ、それによって過去の知恵が上書きされてしまうような状況下においてしか発生しないでしょう。 僕が、この条件で思いついた時代は、人類史上、言語が発明されたとき・・・それだけです。程度の問題で、農耕の発明や文字の発明などもこれにあたる可能性がありますが、レベルが違うと思います。 言語が発明(注2)される以前に生まれた人の知恵は「見よう見まね」で伝達されたはずです。これに対して、言語が発明された後に生まれている人の知恵は、言語によって伝達されたわけです(あたりまえですが)。 「見よう見まね」による知恵(暗黙値)の伝達に対して、言語による知恵の伝達(形式知)は、知恵の伝達効率が高くなります。単位時間あたりの知恵の伝達量が多いのは言語が発明された後の世代ですから、残酷なことに、言語を使える世代は、言語を使えない世代の知恵を軽々と乗り越えて行くことになったでしょう。 ●現代を考える 現代は、僕の意見では、人類史上、言語の発明に匹敵する巨大なイベントが進行している最中です。このイベントがまだ進行中であり、終着点に至っていないと結論づける根拠は、まだ生まれていない子供のほうが、既に生まれてしまっている人間よりも有利であることが疑えないことにあります。 そう言い切れるのは、ITの発展を牽引する半導体の処理能力が、まだ、理論限界に達していないからです。たとえば、満足に使える自動翻訳機や自動プログラミングマシンはまだ出現していません。時間の問題ではありますが、そうしたキラーデバイスがまだ出現していない以上、この変化はまだ終わっていないと考えるべきでしょう。 遠くない将来、高性能な自動翻訳機や自動プログラミングマシンがあたりまえに使える社会に生まれてきた子供は、それ以前の人間が苦労して体得した英会話やプログラミングのスキルなどを「まったく意味のないこと」と認識するでしょう。それでも僕たちは、英会話やプログラミングを学ばざるを得ない「今」を生きているのです。ああ、なんということでしょう! ●「ゆとり世代」なんていない! 「ゆとり世代」という言葉があります。これは、年上が年下を卑下する言葉です。でも、ここまでの話を前提とすれば、そこにいかなる名前をつけようとも、巨大な変化の時代を有利に生きられるのは年下の世代であって、年上ではありません。 「ゆとり世代」という言葉の裏にあるのは、自分がこの変化についていけないという恐怖ではないでしょうか。解らないことは怖いという、本当はそれだけのことだと思うのです。だって「ゆとり」を犠牲にして得て来たスキルが全部無駄になるなんて、誰も信じたくありませんから。 でも、今まさに、日本のお家芸だった半導体技術はコモディティー化し、東大の大学院で半導体の基礎技術を学んだ人材が、事実として職を失い、路頭に迷っているわけです。この日本には「ゆとり世代」がいるのではなくて、「ゆとりのない世代」がいるだけです。 ●この変化はいつ終わるのか 巨大な変化が続く限り(個別に世代を超えて優秀な人材がいるということを除けば)年上は年下に勝てません。では、こうした年上が尊敬できない状態、すなわち、巨大な変化は、いつまで続くのでしょう? 僕の意見では、それは2025年ぐらいまで続きます。これは、今の変化を根本で支えている半導体の技術革新が「止まる」時まで、という意味です。 今の半導体技術は、電子が走るための導線を細くして、半導体そのものを小さくしていくという発想に支えられています。特に「ムーアの法則」と呼ばれるもので、半導体の集積度は、およそ18ヶ月ごとに倍になっています。コンピュータの処理能力の発展、すなわちこの巨大な変化を支えているのは、この半導体技術なのです。 でも「ムーアの法則」には終わりがあります。なぜなら、電子が走る導線も、電子そのものに破壊されてしまう(断線が起こる)ときが来るからです。正確には「エレクトロ・マイグレーション」と呼ばれる現象で、電子の運動エネルギーによって、導線を構成する原子が、期待される特定の位置にいられないとき(物理限界)が必ず訪れます。 それ以上は導線を細くすることができないし、これまでと同じ設計思想では、もはや半導体も小さくはなりません。そこで(いったんは)コンピューターの性能の成長は(ほぼ)止まることになります。これが、僕の予測では、だいたい2025年です。 ●尊敬される老人のはじまり? 2025年以降に生まれる世代は、ただ年齢を重ねるだけで、後から生まれてくる世代よりも優れた知恵を蓄積できるはずです。これまで通りの人類史、困難はあっても将来不安の少ない、安定した時代のはじまりは、そこからでしょう。 で、今を生きている僕たちは、残念ですが、年齢を重ねることでは、生き残るためのノウハウをためこむことは全くできない時代にあります。学んだことの多くはどんどん陳腐化し、ただ生きているだけでは、あれよあれよのうちに若い世代に抜かれていくことになります。 少しでも若いほうが有利ですが、それでも、2025年以降の人類から、僕たちが年上だからということで尊敬されることは無いと思われます。だからと言って、だた一度の人生を生きる僕たちは、自分の歩みを止めることはできません。たとえ一生懸命体得したスキルが全く使い物にならなくなっても、次に求められる新しいスキルを学んでいくしかないのです。 とはいえ、悲観しても仕方がありません。どうせなら、このジェットコースターをめいいっぱい楽しみたいものですね。 (焼き肉、美味しかった!) (注1)年功序列は日本だけのことと信じられるケースもありますが、欧米であっても、年齢と賃金水準には正の相関があることが示されています(たとえば『企業経済学』小田切宏之著など)。 (注2)言語の発明がどのようになされたのかは全く解っていないし、言語は長い時間をかけてゆっくりと獲得されたとする連続性理論が正しい場合は、この例は適切ではありません。短期的に獲得されたとする非連続性理論が正しい場合のみ、この条件に当たります。余談ですが、僕は、個人的に非連続性理論を信じています。 にゃーん! ●無料メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai
by ned-wlt
| 2013-03-28 23:27
| 時事評論のまね
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