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バーナム効果とは、現代社会を生きる人間であれば、誰にでもあてはまるようなことを、自分の特徴であると考えてしまう現象のことを指す心理学上の言葉です。血液型診断に代表される「占い」が、一般的にこの効果を利用したものであると考えられています。
このバーナム効果を示す例(誰にでもあてはまること)として、1948年のフォア(Forer)による実験で使用された以下の文章(Wikipediaより転載)を読むと、確かにこれは自分のことであり「なるほど」と思うところがあります。 あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。 占い師たちは、地域特性や、被験者の外見などから推測されるプロファインリングをベースとしつつ、こうしたバーナム効果を最大限に活用してきたのでしょう。 誤解を避けるために付け加えておきますが、僕は占い師を不当な商売であると言っているのではなく、むしろ、そこには「傾聴」という文脈で、ビジネスパーソンにも学ぶべきことが多くあるのではないかと考えています。 近年「個性」という文脈で、なにかと人間の多様性ばかりが強調されますが、人間というのは、結局のところ、かなりの部分まで(僕たちの一般的な理解を超えるレベルで)似通った存在であるという事実があるのでしょう。 であるなら、個性とは、バーナム効果では追いかけきれない「向こう側」にしかないのであり、それは「詳細(detail)」の差異として認識されるべきものなのだと思います。逆に言えば、どこまでがバーナム効果的な一般論であり(それはかなりの程度までカバーする)、どこからが個別の事象なのかを把握しておくことは、マーケティングにせよ、カウンセリングにせよ、とても重要なことではないかと思うのです。 (涼しくなってきましたね) 阿寒湖畔 ●メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai
by NED-WLT
| 2010-09-23 20:46
| ちょっぴり経営学
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