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来る9月30日(木)に、中原淳准教授(東京大学)が主催する、慶應MCCの講座『ラーニングイノベーション論』のファイナルトラックにて講義を行います。このエントリにまとめられたオリジナルケースは、この講座参加者への課題として執筆されたものです。尚、このケースに書かれている内容は全て、会社名や人物名などを含めてその一切が架空のもの(フィクション)であり、本文はケースメソッドによる学習のための資料として作成されたものです。純粋な学習用途であれば、出典を明らかにしていただける限りにおいて許可無くこのケースを使用していただいて問題ありません。ただし商用用途での複製・引用をお考えの場合は、著作権者である当ブログ管理人までご連絡ください。
MCCエレクトロニクスは、創業1954年の電子部品メーカーである。従業員数は単体で4,300人、連結では16,700人という堂々たる大企業で、海外拠点もアジアと欧米に複数持っている。2008年より続いた金融危機は、2009年末より回復のきざしを見せ、これまで「労働賃金の安い製造拠点」として認識してきた新興国が、一転、製品の「主要な販売市場」として台頭してきている。 ![]() 2008年には、中国での販売・製造を担当している、戦略的に最も重要な子会社のCEOを、日本人(本社から派遣されている駐在員)から中国人(子会社の内部昇進)に変えている。また2009年には、中国とマレーシアでの投資資金を得るため、社債を発行した上に、不動産のいくつかを売却していた。 ●林梅炎CEO 新たに中国子会社のCEOに抜擢された林梅炎(りん・ばいえん)は、1990年に上海交通大学の理工学部で精密センサーによる制御技術を学んだ後、MCCエレクトロニクスの中国子会社に採用された。その後、会社の留学制度を利用して(子会社からの制度利用としては1期生となった)2004年に慶應大学のMBA(KBS)に学んだ後、MCCエレクトロニクスの東京本社(経営企画室)で2年ほど働き、中国の子会社に戻ってマーケティング本部の本部長となっていた。 林梅炎は、日本語はもちろん英語も堪能なので、中国のマーケティングのみならず、旧イギリス領で英語が通じ、中国人華僑が経済の中心を牛耳るマレーシアのマーケティングまで担当していた。中国子会社やマレーシア営業所での人望も高く、日本的な仕事の仕方にも精通しているとはいえ、若干43歳の林梅炎がCEOに抜擢された(東京本社にいる役員の平均年齢は58歳)ことは、MCCエレクトロニクス・グループ全体に「時代の変化」を感じさせた。 ●マレーシアETCグループ マレーシアは、イギリスの植民地時代より特定の農作物や鉱物の生産が盛んだったが、マハティール前首相の指導の下、2020年までに先進国入りするとの目標を掲げ、工業化を進めている。そうした政策のなかで、マレーシアを代表する企業集団となったのがETCグループだった。 1982年に自動車メーカとして創業を開始したETCグループは、後に、工業用ロボットから家電まで手広く扱う、企業コングロマリットに成長した。グループの従業員数も10万人を越え、中国やインドが「世界の工場」から「世界の市場」に変化する流れをつかまえて、現在もグループの売上成長率20%以上という、この規模にしては驚異的なスピードで成長を続けている。 ![]() ●コンサルタント陳耐軒の採用 この状態に風穴を開けたのは、中国子会社のCEOに就任したばかりの林梅炎が2008年の夏に連れてきたコンサルタント、陳耐軒(ちん・たいけん)であった。陳耐軒は、もともと米国の大手自動車メーカーの経営企画室で室長を勤めた後に、米系の戦略コンサルティングに転進し活躍した人物で、その後、マレーシアにおいて小さなコンサルティング・ファームを起業していた。 陳耐軒が持っていたのは、MCCエレクトロニクスの人材には足りなかった自動車産業への深い理解と、マレーシアという土地での人脈の広さであった。陳耐軒は、数ヶ月のうちにETCグループの中核であるETCオートモーターの経営企画室に出入りするようになり、得意の経営コンサルタント的な動きをしつつ、ETCオートモーターの幹部に、MCCエレクトロニクスの競合優位性を納得させていった。 そんな中、MCCエレクトロニクスの競合が陳耐軒の引抜きを画策していることを知ったMCCエレクトロニクスが陳耐軒をマレーシア営業所の所長として迎えたのは、とても自然な流れであった。ただ、日本語が全く話せない陳耐軒のコントロールは実質的に林梅炎だけが握っていたので、いちいちMCCエレクトロニクス本社への情報伝達が遅れ、部品の納期、品質、コストをめぐって、本社が驚かされるということがしばしばであった。 ●MCCエレクトロニクス、英語力の現在 MCCエレクトロニクス・グループの外国人比率は年々伸び続け、現在では15%を越えるまでになっている。今後、日本国内におけるビジネスの成長はほとんど期待できないのに対して、新興国の市場成長率は年率で10%を越える勢いがある。 こうした背景から、2010年6月の取締役会で、代表取締役の井上豊(いのうえ・ゆたか)は、社内公用語の即時英語化を議題にあげた。北米と中国に駐在経験があり、大学時代にはイギリスへの留学経験のある井上豊にとっては、それが最も合理的に思えたのだろう。しかし、取締役会に出席していたほかの役員からは、英語力の有無に関わらず「即時というのは早急すぎる」という意見が多数出ることになり、社内公用語の英語化は「今回は」見送られる結果となった。 とはいえ、MCCエレクトロニクスの新卒採用では、すでに「将来のグローバル要員」という採用ポリシーが取られているし、昨年より、若手から中堅への昇進条件にTOEICの点数(700点以上)を取り入れている。社内ヒアリングを実施した結果、MCCエレクトロニクスの公用語が「いずれ英語になる」という空気は、特に若手従業員の間ではむしろ好意的にシェアされているようだ。例えば、MCCエレクトロニクスでは、会社の留学制度を利用して英語圏に留学をした先輩社員を講師として「英語でMBAのエッセンスを学ぶ」という自発的な英語勉強会が組織されている。 若手従業員にとっては、この勉強会でのネットワークが社内人脈の形成に大切な役割を持っているので、人事が「幹部候補」として目をつけている若手は、ほぼ例外なくこの勉強会に参加している。 ![]() ●マレーシア営業所の成長 マレーシア営業所の営業成績は2008年から2009年にかけて4倍になった(資料1参照)。それでもまだ、ETCグループのほんの一角を崩したにすぎないレベルなので、遅くとも2年以内には、営業所から関連子会社になることは確実視されている。 営業所の従業員数も、2008年にスタートしたときの3人から、わずか1年で80名にまで増え、人員計画上は、2010年末には200名体制になるのだという。MCCエレクトロニクスの「古きよき時代」を知らない世代は、この人員計画を「無謀」と考えたが、創業後20年の成長を見聞きする役員たちにとっては、この人員計画は「創業二度目の大波」を予感させた。 ただ、これまで本社で「問題児」扱いされてきたセンサー事業部が120名の日本人で成り立っていたことを考えると、主にセンサー部品を扱うマレーシア営業所とは規模の逆転現象が起こってしまう。実際に、マレーシア営業所とセンサー事業部の間の「政治的な混乱」も、日常的に聞こえてくるようになった。そして、マレーシア営業所の従業員のほとんどは英会話を問題なくこなすものの、日本語を話すことはできなかった。 ●監査役の指摘と中国電点グループ案件 2010年になって、マレーシアETCグループと密な取引のある中国電点グループからの引き合いが急増してきた。これを中国子会社CEOの林梅炎一人でさばくのは難しいということで、新たに電点グループを専門に担当するアカウント・チームが形成されたが、顧客である電点グループの経営層はもちろん、このアカウント・チームも日本語が不自由であり、本社サイドには英語でのコミュニケーションが求められた。英語力のある若手は、この状態をむしろ喜んでいたようだが、中間管理職層は、中国への出張すら嫌がっている様子であった。 林梅炎が電点グループ案件にかかりきりになるにつれて、マレーシア営業所の陳耐軒は、経営的な判断を、英語力のある会社の上層部に限定して求めるようになっていた。特に代表取締役の井上豊との関係が深まっているのが誰の目にも明らかになったとき、8月の監査役会で「経営判断が、本来あるべき取締役会や経営会議ではなく、英語力のある一部の役員の間でなされている」ことが「重大なリスク」として指摘された。 ●人事定例ミーティング(2010年9月30日) 国内における全てのMCCエレクトロニクス・グループの人事系の部署から幹部クラスが集まる会合が、2010年9月30日に開かれた。その場には、人材開発グループを統括する「あなた」も出席している。グループ企業間における人事制度のアライメント問題、メンタルヘルス問題、賞与をより業績スライド型にするプロジェクトの進捗報告、新卒・中途の採用問題、労務問題・・・いつものように、多くの重要な議題が取り上げられた。 いつもと違ったのは、今回の定例会議からアジェンダに含まれることになった「グローバル化対応について」であった。先の取締役会の件や、グループ各社のTOEIC平均点(500±30点であった)、全従業員に対する外国人比率の上昇トレンドの件などが報告された。そしてここにきて、今日はまだ一言も言葉を発していなかった、MCCエレクトロニクスの人事担当役員(全グループ人事系トップ)の坂口実(さかぐち・みのり)が口を開く。 「きみ、慶應で人材開発を学んできたんだろう?次の定例までに、うちのグループをもっとグローバルな企業集団にするための人材開発ロードマップを作ってきてくれないか?」 設問1:MCCエレクトロニクスにグローバル化が求められる理由をまとめなさい。 設問2:グローバルな企業集団とは何か。自分の言葉で定義しなさい。 設問3:グローバルな企業集団を支える人材の人材要件を書き出しなさい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ●メルマガ『人材育成を考える』もよろしくお願いします。 ●twitterもやってます:http://twitter.com/joesakai
by NED-WLT
| 2010-09-04 11:42
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