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子を持つ親であれば、どうしても気になるのが受験。特に、僕たちのように受験人口のピークを経験している(第二次ベビーブーム世代の)親としては、「あの激戦区」に自分の子供を送り込むことに不安を感じて当然だと思います。
しかし現在の受験産業は、ピークだった1990年代初頭とは全く異なるので、当時の記憶だけで子供の受験戦略を練ろうとするのは相当リスキーです。 現在の受験産業は、少子化という出口の見えない課題に直面しています。この背景から、多くの塾や予備校が姿を消していきました。有名な例としては、両国予備校の閉校(2005年)や研数学館の閉校(2000年)があります。 生き残りをかけて、大手の予備校はターゲット顧客の年齢層を下げてきています。例えば、河合塾は、日能研と共同で小学生向けの教室をオープンし、サピックスのような既存の有名校との直接対決を始めています。こうした予備校の顧客ターゲットの低年齢化は、塾と予備校の境界線を曖昧なものとし、受験業界の競争をますます激化させ、勝者のいない値引き競争(price war)を生んでいます。 かたや、定員割れの大学が出るなど大学の全入時代が到来し、浪人生が減っています。平日の朝から夕方まで長時間の授業を受ける浪人生1人あたりが予備校に支払うお金(浪人生の客単価)と、放課後に数時間立ち寄るだけの現役高校生が予備校に支払うお金(現役高校生の客単価)が異なるのは当然です。現役高校生は、浪人生ほどには儲からないのです。 総じて、受験産業の収益性は、全体として著しく低下しています。 と、ここまではForesight7月号に掲載されていた記事、『急減する「顧客」を奪い合う受験産業の生存競争』でカバーされていた部分です。以下は、僕がこの記事に付け加えたい3つの視点です。 1.受験産業のグローバル化 優秀な高校生が、東大ではなくてハーバードやMITなど、アメリカの一流校へ進学するという流れは、かなり以前より始まっています。実際に、大手予備校も高校生を相手とした留学支援をしています。トータルな留学サポートは、授業料や模擬試験からの収入に頼る古い予備校のビジネスモデルを良い方向に多角化させる可能性を持っています。今後はさらに、日本の予備校の中国市場への参入や、外資による日本の予備校買収などが活性化する可能性も否めません。 2.オンライン家庭教師の登場 塾や予備校は、講師と学生をつなぐ「場」でした。具体的には、塾や予備校は優秀な講師を「仕入れ」て、それを迷える学生たちに提供する「中間業者」としての付加価値を持っていました。しかしネットがあらゆる中間業者を「中抜き」してきたことを考えると、塾や予備校にとって、ネットの特性を利用した「オンライン家庭教師」の出現は脅威なはずです。特に「有名講師」の場合は、特定の予備校に対して「所場代」を払う意義が薄れているのは明白です。 3.大学生の「補習」という新たなマーケットの登場 少なからぬ大学は、全入の影響で学力が極端に落ちている大学生向けに、高校レベルの「補習」をしています。そして、新たに生まれたこの「補習マーケット」に予備校が参入しています。ただ皮肉なのは、このとき予備校側の人間として教壇に立っているのが、身分の不安定な大学の研究者だったりするという現実です。本来であれば、研究者の地位を安定させ、彼らに、大学で必要となった補習まで面倒を見てもらえば良いはずなのですが・・・。 (そろそろ寝ます) 路にある石 ![]() 「ヘボ経営者からの国際電話(もちろんSkype)」 2007-02-01
by NED-WLT
| 2009-07-13 23:39
| 時事評論のまね
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