『クラウドの衝撃』 城田真琴著

筆者はクラウド・コンピューティング時代の到来が、IT業界に地殻変動ともいえる大きな変化をもたらすことになると確信している。このパラダイムシフトに対応できない企業は、クラウド・コンピューティングが拓く新たな時代に生き残ることは難しくなるということを、改めて強調しておきたい。

（p251）

ある人物に勧められ『クラウドの衝撃』を読みました。IT世界の変化が書かれているのですが、IT世界という限定を超えて、これから訪れる新しい社会のベース部分が透けて見えるような、そんな本です。

人類の歴史はもちろん、経営のトレンドやキャリア形成など世の中の多くの事象は、集中と分散を交互に繰り返しつつ拡大・成長をしていくように思います。この文脈から本書を要約すれば、コンピューティング環境の歴史もやはり集中と分散のサイクルを持っていて、向こう10年のトレンドは「驚くべき分散」だという話です。

技術的な話も多く、ITに馴染みがないと読みにくい部分もありますが、これからの経営を考える上では絶対にスルーすべきでない重要な本だと思います。専門的なのに読みやすく、網羅性が高いのに実用性も十分。著者の力量に驚かされました。

（ちょっと外出します）

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