臨時講義のこと。

先週の木曜日、母校のMBAとMAの学生（12国籍、60人ほど）向けに臨時講義を行いました。公式な内容は「アジアの台頭と2025年の世界」といったところなのですが、この講義の目的は情報や知識の伝達ではなくて、学生のモチベーションを刺激することにあります。

ここは社会人大学院ですから、学生はほとんどが社会人経験者です。彼らが会社を辞めて大学院に戻るのは、大学院での「経験」を次のキャリアのステップとするためであり、単純な知識の習得ではありません（相当な量の文献を読まされることにはなりますが）。

以下は、当日のクラスの様子です。うーん、みんな真剣でよろしい（笑）。実際に忙しい学生生活がはじまってしまえば、学生というのは当初自らに設定した高い目標を忘れ、ついつい目先の単位取得に目が行きがちです。そこで僕の講義は、聴講してくれる学生の目線をずっと遠くに誘導することで、彼らが今、社会人大学院で勉強をしている理由を「思い出してもらう」ことを目指しています。

だいたい、僕に2025年の世界を正しく予測する力などありません。時にはずっと先のことを「妄想」し、それを他人と議論することの大切さを実感してもらいたいというのが僕の講義の真意です。・・・とはいえ、自分では自分の予測に自信を持っていたりもしますが（笑）。

妄想を戦わせることで得られる様々な2025年のビジョンには、「予測される未来」ばかりではなくて、「自分の手で作りだしたい未来」という側面が必ず入り込みます。その中で、自分はどのような責任と立場を取りたいのかを再確認してもらえれば、僕の講義は成功ということになるのですが・・・。

本人の了解を得たので、当日僕の講義を受けた台湾出身の学生からの感想文をアップします。なんだか自慢みたいですが・・・自慢ですね（笑）。まだまだ経験の浅い僕は、こうしたポジティブな感想をもらえるのが嬉しくて舞い上がっているので、見苦しいかもしれませんが許して下さい。

Dear Mr. Joe Sakai,

My name is Chun-Yi Lin from Taiwan, the 08-09 full-time MA student in TiasNimbas. (International Business and Marketing Management)

Thank you for sharing your entrepreneurial experience and your vision for the future trend. Tonight I asked you how did you manage your time to balance the study and making your own business. Your answer impressed me a lot: Maximize your motivation.

You really motivated me. I need to write my blog more often than before. I have strong motivation for several things, but not maximize them yet. So I'll maximize them from tonight, from now!

I would like to invite you to join our Taiwanese Cultural Night. It will be built on November, probably during the week days in the evening, in Utrecht campus. We will have short presentation to introduce Taiwan and also have some Taiwanese food and drinks. When we decide the date, I will inform you. Every alumus and current student is welcome.

It's our pleasure and honor if you can join us. We will have more time discussing about the future trend and discussing how to make a business.

I wish you have a wonderful night.

Sinicerly,

Chun-Yi Lin (Bow)
TiasNimbas 08-09 Full-Time MIBM Programme

こうした学生からの僕の講義への評価集計を読む限りは、来年も母校での僕の仕事はありそうです。人材管理、特に次世代のリーダー育成が、自分の中で大きな関心の対象となってきています。僕自身のキャリアも、帰国という選択肢も含めて、色々と考え直す段階に来ています。

（おやすみなさい）