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フラット化による課長の、以下の図によるような「中抜き」が起こるのであれば、課長の重要性は事実上減少しつつあるのではないか?
![]() しかし、拙著『はじめての課長の教科書 さて、確かに企業組織のフラット化は世界規模で起こっています。でも、フラット化によって「君たちはイラナイよ」という厳しい宣告を受けているのは、実は数字の上では、中間管理職層ではありません。 とりあえず必要無いということが確実だと解っているのは、社長と部長の間にウジャウジャいる(いた)会社役員層です。そうした役員は、現場の情報に疎いばかりか、経営責任についても実に中途半端なものがあるので、社内政治ぐらいしか精を出すことがない・・・と言えば言いすぎでしょうか。 組織のフラット化というのは、何故だか一般に中間管理職がゴッソリと抜けるようなイメージがありますが、現実に「数字の上で」多数抜け落ちているのは、部長と社長の間にある(あった)不可解で政治的なレイヤーです(注1)。つまり、組織のフラット化の構造についての僕の仮説は以下のようなものです。 ![]() これに対して、中間管理職の人数は、どうもあまり変化が無いという話です。ちょっと古いデータですが、厚生労働省による平成13年版の「労働経済の分析」から引用してみます。 情報通信技術革新により中間管理職が減少すると指摘されることがあるが、第2節でみたように、情報通信技術革新の先進国であるアメリカでは管理職をはじめとするホワイトカラーの雇用は増加している。また、我が国でも従業員の高齢化が進む中で、部長、課長、係長など何らかの役職に就いている者(役職者)の割合は高まっており、中間管理職が減少するといった傾向はみられない。このように少なくともマクロ的なレベルでは中間管理職の減少は確認されていない。この厚生労働省のデータからすれば、僕の仮説はほぼ証明されたような気分になります。しかし残念ながら、このデータは対外的には中間管理職であっても、現実には「窓際族」であったり、本当は部下のいない「とりあえず長」だったりする人々と、実際の中間管理職を区別してはいないのです。 この意味で、僕のこの仮説は、書籍として外に出すには弱い。 プロの研究者による分析を待ちたいところです。 とはいえ短期的な意味では、もうすぐ中間管理職として働いていた団塊の世代が一斉に定年となりますから、中間管理職たるべきスキルを持った人材が足りなくなるはずで、末端レベルにいた人たちがそこを埋めることになるでしょう。 そうした意味では、今現在、係長級の人にはチャンス到来というわけですね。先にも述べたとおり、係長というのは、課長として仕事ができると周囲に認められない限りは課長に昇進できないのですから、是非とも、図書館ででも良いので(強がりです)拙著『はじめての課長の教科書 実務レベルでは、業務の複雑さが急増している現代社会においては、課単位で扱うべき専門性が増えすぎていて、課のサイズは人数的には小さくなりつつあるのではないでしょうか。そして課毎の人数が少なくなった分だけ、それは「課長」という名前ではないかもしれませんが、いわゆる課長級のポジションは増えていると予想されます。 もちろん、今回参照したデータは最新のものではありませんし、未来がどうなるかなんて確実には解りません。それでも、組織のフラット化によって地位を追われることになるのは、経営者に近い層であって、現場に近い、真の中間管理職層ではないというのが、僕の(現在の)見解です。 (おしまい) (注1)現在、大組織の経営者の給与が跳ね上がっているのは、最少人数で巨大な組織を運営するような人材(それはもう天才でしょう)が足りないというのが背景にあるのではないかと思うのです。 ![]() 「本を、書きました。」 2008-01-31 ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。 *鍵コメント@2008-02-03 04:04さま 嬉しいコメント、ありがとうございます!今回の出版話が落ち着いたら、また子育て関連も充実させて行こうと思っております。早速、そちらにも遊びに行かせて頂きます。今後とも、よろしくお願い致します。 出遅れました。 本を書かれていたのは存じておりましたが、ついに出版!おめでとうございます。ビジネス関係には疎い私ですが、NED-WLTさんの洞察は、いろんな場面に通じるところがあると勝手に思っており、子育てや人間関係に活用させて頂きたいと思ってます。発売が楽しみです。 *shipmaker2さま 嬉しいコメント、ありがとうございます。本書は、課長にフォーカスして書かれてはおりますが、おっしゃるとおり、個々のトピックの応用範囲は広く、課長でなくとも何かの参考になることもある・・・かもしれません(笑)。よろしくお願いします。 コメントいただきありがとうございました。私の身近な例をとりますと、95年以降の就職氷河期により、その世代の人員が極端に少ないです。同様にバブル時採用の人員も少ない状況です。一方ここ数年は人材不足懸念を背景に極端に採用を増やしました。 その結果、世代による構成は上記のとおりの三角形にうまくなっておりません。このいびつな構造は新卒採用を主としている企業ではあまり変わりがないように思います。 依然として年齢による昇進が続いていますので、若くして同一世代から課長機能を持つ役職につくものがポツリポツリと出るわけですが、それでも世代を越えて昇進する人は稀で、企業文化の根幹に関わる部分となってきます。 おっしゃるとおり、経営層の最小化が行なわれることが、(迅速な意思決定の上で)中間管理職にとってもありがたいわけですが、実際それが行なわれる可能性があるのは上場企業などステークホルダーによる監視機能が働く会社や、創業経営者による独断が専行する場合だと思われます。 つまり企業はAさんを昇進させることでBさんもやむなくというケースが多く見られるというわけです。 もちろん様々な要因から一時増えても大筋では減る方向にあると思われます。役員を増やしている余裕がなくなってきたのです。 さて、中間管理職ですが、パート・ハケンが増える中で、数自体は私も増えて行くと思います。 中間管理職 若い社員 パート・ハケンという構造です。一方で予算などの権限を持つものは集約していく。 課の新設や改廃は意外と労力がいるものです。以前にも書いたような気がしましたが、業務の複雑化によって課を細分化していくと、ルーチンワークの分配が行なわれ、新設前より効率が下がるケースが多いのです。 新たな目的を持って新設する場合は別にして往々にして細分化はよりルーチンワークを増やしていきます。スタッフ業務は特にそうです。 そういう失敗を味わっているので課の新設は慎重にならざる得ません。 というわけで実質権限を持つ課(長)は増えることはないと思っています。 長々と失礼しました。 まずはお礼まで。 *blog49さま
すばらしいコメント、ありがとうございます。とても勉強になります。おっしゃるとおり、日本企業のいびつな世代構成に関する考察は、本書ではほとんど取り上げませんでした。同時に、このエントリで引用したような、厚生労働省による「中間管理職は、アメリカでも日本でもマクロには減っていない」というようなことも、取り上げませんでした。 というのも、本書は個々の細かいケース分析よりも、「課長の日々の業務に役立つための実務書」を目指して執筆したからなのですが、確かに、そうした分析的な面についても、もう少し紙面をさくべきだったかもしれません。次の本では、そうしたデータ分析的な部分についても気をつけて行ければと思います。ご助言、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願い致します。
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